踏み込んだ内容になっていなかった
先週3月6日の自民党政治刷新本部会議で、党則改正やガバナンスコード改定等の党改革案が党所属議員に示された。1月25日に決定された中間取りまとめから1か月半が経過しているが、中間とりまとめの際に出た意見が強く反映されているものではなかった。
これらは3月17日の党大会で承認・決定をしたいとのことである。しかし、政策集団の政治団体登録禁止など根本から党変革を成し遂げる項目について、議論が継続されそれらを決定していくことが担保されなければ、私が事務局を務める「政治(まつりごと)変革会議」など党変革を求める議員たちからすれば、提示された案に承服できない状況となっている。
これに先行し、3月5日に発表された今年の自民党運動方針案では、党の「解体的出直し」等、強い文言で党変革への決意が記された。党運動方針案は、7人からなる起草委員会で作成し、私もそのメンバーのひとりであった。起草委員会では、当初から党の危機的状況を厳しく認識し、反省と出直しの決意と行動を強く記さなくてはならないとの考えで運動方針案を書き上げていった。
第1章は、党変革について記しており、タイトルを「深い反省、解体的出直しの強い覚悟で不断の改革努力」とした。そして本文では、「今回、政策集団が『お金』と『人事』から完全に訣別することにより、これまでの『派閥』から脱却し、二度と復活させない」と、今回の政治資金問題を引き起こした根幹である派閥からの訣別を明記した。
この運動方針案は、5日に起草委員長である金子恭之・党組織運動本部長から記者会見で発表されたが、その直後から報道において「踏み込んだ内容」と評価された。しかし、翌6日に党の政治刷新本部で示された党改革案は、踏み込んだ内容になっていなかった。
執行部からは、途中経過的なものであるとの認識が示されたが、何を今後継続して議論していくのかついて明確な提示がなかった。
「政治団体登録禁止」と派閥幹部の責任論
そもそも、1月末の党政治刷新本部会議の後、党則改正やガバナンスコード改訂を行うため、3つのワーキンググループがつくられたとのことだが、メンバーが誰であるか、どのような議論が行われているかも1か月半にわたり党所属議員に報告がなく、いきなり3月6日に示された。
通常であれば、ワーキンググループが原案を作るにしても、ある段階で党所属議員に案が示され議論がなされる。しかし、今回はいきなり示され、3月17日の党大会で承認・決定をしたいとの話であった。
私は政治刷新本部会議で真っ先に発言し、党運動方針案に比べ踏みこんだ内容となっていないと提起し、示された党改革案には盛り込まれていない、政策集団の「政治団体登録禁止」について改めて求めた。改革案では、政策集団の「政治資金パーティー禁止」は盛り込まれたが、このままでは政策集団は献金を受けられる状態であり、完全な「お金」との訣別にはならない。
だからこそ、これらがいずれもできなくなる「政治団体登録禁止」が必要なのである。
そして、私は派閥幹部の責任論に言及した。これまでは責任論についてあまり言及してこなかったが、それは国会議員の出処進退は自ら国民に対して示すべきであるとの考えであるとともに、不記載について、自ら指示していなくてもスキームを知っていて黙認した派閥幹部がいるわけであり、違法行為を黙認したとして自ら責任を取る方が出るのだと思っていた。
しかしながらそうなっておらず、不記載問題を黙認した派閥幹部は自ら責任を取ること、党として処分することを要請した。