いきなり示された自民党改革案 このままでは承服できない!|和田政宗

いきなり示された自民党改革案 このままでは承服できない!|和田政宗

3月6日、党改革案がいきなり示された――。自民党はすでに国民の信頼を失っており、党運動方針案に示したように「解体的出直し」をしなければ生き残れない。


「岸田文雄総裁に一任」で拍手は2、3人

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リクルート事件を受けて平成元年に党は「政治改革大綱」をまとめており、今回の政治資金問題を受けた「新政治改革大綱」を策定し党変革を国民に約束すること、平成24(2012)年の自民党憲法改正草案に明記している「政党法」の制定について再提起し、外国人による政治資金パーティー券の購入禁止を実現するよう要請した。

しかし、私の要請や他の発言者の要請に対し執行部より明確な回答がなく、最後は政治刷新本部事務局長が、党大会に提示する文案を含め「政治刷新本部長(岸田文雄総裁)に一任」との発言があったが、拍手したのは2、3人であった。

これを受け、石川昭政、大岡敏孝衆院議員が呼びかけ、翌8日に党幹部に対し政治刷新本部をさらに開くよう有志で緊急要請した。「政治(まつりごと)変革会議」のメンバー以外の議員も要請に参加し、渡海紀三郎政調会長、森山裕総務会長、小渕優子選対委員長に面会し、いずれの幹部も我々の意見を聞き、開催に向け善処する趣旨の発言があった。

さらに幹事長室にも伺ったが、茂木敏充幹事長は時間が取れないとのことで、木原誠二幹事長代理に要請を行った。そうしたところ、明日3月14日に党政治刷新本部が開かれることとなった。

先週6日の党政治刷新本部の最後で拍手がまばらだった状況は岸田総裁も目の当たりにしている。明日の政治刷新本部会議で、私や他の方々が要請した党の根本的変革案について、さらに継続して議論し決めていくと示されることが極めて重要であり、そうでなければ国民はさらに失望する。

自民党はすでに国民の信頼を失っており、党運動方針案に示したように「解体的出直し」をしなければ生き残れない。有権者と街頭活動等で多く接している中堅若手議員の危機感は極めて強い。そうした同僚議員たちとともに、必ず「解体的出直し」を実現していく。

著者略歴

和田政宗

https://hanada-plus.jp/articles/681

1974年、東京生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業(日本外交史)。1997年、アナウンサーとしてNHKへ入局。新潟局、帯広放送局、大阪放送局を経て、2009年7月より仙台放送局に勤務。東日本大震災の報道や取材に携わる。2013年、第23回参議院議員選挙において、宮城県選挙区で初当選。2019年、全国比例区で再選。

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