軽率な一般化で逆差別を誘導
関口宏氏:国連で沖縄県と日本政府が論争する形となりました。この日、玉城知事、国連の人権理事会で演説。県民投票で反対の意思が示されたにもかかわらず、米軍の基地建設が進む現状を訴えました。これに対して同じ会議に出席した日本政府の関係者は、米軍基地は安全保障の必要性に基づくもので沖縄への差別的な意図はないなどと反論しています。
青木理氏:一部の言論で、玉城氏・尾長氏が親中派だとか、危機感が足りないという批判をする人もいる。しかし、沖縄と日本政府が国連で言い合いをする国家統合の危機に陥れているのは一体どっちの側だ。むしろ日本政府が沖縄を追い詰めているという視点を我々持つべきだ。
この問題の根底には、基地移設反対派が発信した「沖縄県外の国民が沖縄県民を差別している」というバカバカしいデマを多くの沖縄県民が信じさせられてしまったことがあります。
例えば、『サンデーモーニング』は、一部の沖縄県外の人物による差別的発言を根拠に沖縄県外の市民全体が差別意識を持っているかのように報じています。
TBS「サンデーモーニングのホームページがすべて」と回答 番組では張本勲氏の「内紛」発言扱わず、農水相と沖縄の機動隊員の発言を議論(3/3ページ)
https://www.sankei.com/article/20161024-6BE6QP5MMRJ2BDI6OXSWS2HBUE/3/TBSは24日、野球評論家の張本勲氏(76)が23日放送の報道番組「サンデーモーニング」で、物議を醸した中大陸上部をめぐる自身の発言に言及しなかった理由につ…
これは、少数の個別の事実を根拠にして言説を一般化してしまう【軽率な一般化 hasty generalization】と呼ばれる帰納論証の誤謬であり、不当な逆差別を誘発したものです。論理的に考えれば、沖縄に基地が集中しているのは、沖縄県外の国民が沖縄県民を差別しているのではなく、他国にとって沖縄が戦略上の重要な地域であるからです。
例えば、ウクライナ戦争において、ロシア軍はウクライナに侵攻し、国境付近の町であるブチャで住民を虐殺しました。国境付近を防衛強化することは、国境付近の住民の生命を守るために特に必要な措置です。
そんな戦略上の常識を覆い隠すように『サンデーモーニング』は、現在でも沖縄県外の人々が沖縄県民を差別しているかのような情報を流して、沖縄県と沖縄県外を分断しているのです。本当に迷惑な番組です。