【埼玉県川口市 クルドの現場を行く⑤】川口市の混乱は日本の未来か?|西牟田靖

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これまでは、クルド人の人たちが住む一帯や仕事をしている一帯を回り、迷惑・犯罪行為や2世の教育問題について記してきた。最終回である今回は、川口市議会を傍聴、クルドの人たちを受け入れてきた川口市の対応とクルド人の生活実態について記してみたい。


《市議会で、外国人の不法問題について質問する奥富精一議員》

川口市内における外国人の検挙数

次に、不法行為の実態へと質問は続いた。最初に聞いたのは、川口市内における外国人の検挙数だ。

令和3年が156人、令和4年が136人、外国人の起訴数は埼玉県内では令和3年が、受理件数1637人に対し、512人です。その種別は、窃盗、傷害、暴行及び器物損壊です」

登録している人口1300人に仮放免者は含まれていない。それでも登録人口の10分の1もの件数というのはずいぶん多いのではないか。

もっとも苦情が多い、不正改造車による危険運転行為の取締りについてはどうか。

「所轄警察署に確認しましたところ、議員ご指摘の地区において、特に昨年の夏頃に110番通報が多く(中略)見受けられ、第二産業道路が定番のコースになっているのではないかとのことです。(中略)重大な交通事故に繋がる恐れがありますことから、不正改造車による危険運転行為の更なる取締りを、所轄警察署に強く要望して参りたいと存じます」

善処する気持ちが市側にはかなりあるとみていいのだろう。なお、その手段は、暴走車の取り締まりに限らない。

「住民の安全のため、警察から実態について情報収集を行い、関係部局と調整を図りながら、交通ルールの啓発に係る横断幕の設置について検討して参りたい」と市側は述べた。
 
このように市側は交通安全にむけて、本腰を入れた対応を行うつもりなのだ。

《6月25日、日本クルド文化協会に、県警を招き、安全講習会が開催された。協会メンバーのほか、会社経営者、一般のクルド人も参加したという》

市側の危機感は、その他の不法行為全般に及んでいた。

6月9日に可決・成立した入管法改正案について、奥富精一議員が質問したところ、以下のように答えたのだ。

「(外国人住民による)不法行為は、適正な出入国在留管理行政を阻害しているばかりか治安等に多大な影響を与えている

その上で、「外国人の生活と密接に関係する部署と情報の共有を図るとともに、国の動向を注視しつつ、警察と連携して対処して参ります」と約束したのだ。

どこまでやれるのかわからないが、意欲があることは伝わってきた。

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