「LGBT法案」退席、私は何を守ろうとしたのか|和田政宗

「LGBT法案」退席、私は何を守ろうとしたのか|和田政宗

「LGBT法案」成立を受けた自民党の支持者離れは甚大である。今すぐ、岩盤支持層の支持を取り戻す手を打たなければ、その支持は2度と戻ってこないかもしれない――。


岩盤支持層を極めて重視した安倍政権

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さらに深刻なのは、岩盤自民支持層の離反である。岩盤自民支持層は20%と言われ、安倍政権において、内閣支持率が低迷しても20%代後半を割り込むことがなかったことでもこの数字は裏付けられる。そして、安倍総理は、この岩盤自民支持層を極めて重視した。

20%の絶対に揺るがない支持者に加え、10%、20%の支持は普通に乗ってくるものであり、岩盤支持層20%をつかんでいる限りはいつでもフリーハンドで解散をし、国民に政策の信を問うことができると考えていた。

現状は、この岩盤自民支持層20%から、何%の支持者が離れてしまったか全く分からないほど深刻な状況である。仮に5%は離れてしまったと想定し、前回令和3(2021)年の投票率などから計算すると、1選挙区あたり6300票が逃げることになる。

これにより自民党は前回に比べ22議席減となる。前回の獲得議席は261議席であったから、自民党は239議席となる。過半数233は超え、単独過半数は維持するが、東京における自民・公明の選挙協力の解消、維新の躍進などを考えれば、単独過半数を割り込む厳しい結果を想定しなくてはならなくなる。

岩盤自民支持層を離すことは、深刻な結果を招くのである。

こうした数字からも、我が党は現在、とてつもなく危機的な状況となっていると言える。岩盤支持層の支持を取り戻さなくてはならない。今すぐ手を打たなければ、その支持は2度と戻ってこないかもしれない。そのためには、リベラル化しつつある自民党を変え、しっかりとした保守政党に戻すべきであり、国家国民のための政策の実現しかない。

スパイ防止法の制定など、国家国民を守るため優先して制定すべき法律がある。私は党内において強く主張し、実現するため行動する。

月刊『Hanada』2023年8月号

日本国憲法「改定」

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