入管法と日本共産党の暗黒史|松崎いたる

入管法と日本共産党の暗黒史|松崎いたる

密航による不法な出入国を繰り返してきた日本共産党に「入管行政の歪み」などと批判する資格はない!志位氏の入管法を廃止あるいは骨抜きにしようとする要求は、日共の暗黒の歴史を覆い隠そうとする企てである。『日本共産党暗黒の百年史』の著者、松崎いたる氏による「ここが変だよ日本共産党」第5弾!


ちなみにこの「占領法規てっぱいのために」 の「爆発物取締罰則」の項では、「『治安維持』の立場から爆発物の使用を厳禁し、これを死刑で威嚇している。現在では銃砲等所持禁止令とならんで国民武装を禁止する役割をになっている」とか「火焔ビン、ラムネビンに対して検察庁ではこの罰則を適用しようとしたが裁判所の多くはこれをみとめなかった。弾圧当局ではこの罰則を重視し、国民の自衛活動に妨害を加えようとしている」と解説している。「国民武装」や「自衛活動」として、火炎ビン闘争を奨励する当時の日共の危険な姿勢がよく表れている。

殺人犯を中国に逃亡させる

戦前、戦後の日本の出入国管理の歴史をふり返れば、日共に「入管行政の歪み」など批判する資格などさらさらない。

戦前は、コミンテルン日本支部だった日共は、ソ連のコミンテルン本部との連絡をする際には、密航による不法な出入国をするのが常であった。密航によってソ連本国から多額の資金や拳銃等の武器を入手していたのだ。

戦後も、マッカーサーの指令によって党中央が解体(レッド・パージ)されると、徳田球一や野坂参三など主要幹部が中国に不法出国し、「北京機関」を設置、中国から日本国内に残した「臨時中央指導部」(臨中)を指揮する体制をつくった。北京機関と臨中との連絡は、漁船を利用した密航であった。この日共の密航ルートは当時「人民艦隊」と呼ばれた。

「人民艦隊」は、日共による殺人である「白鳥事件」の実行犯を含む関係者を中国に逃亡させるためにも利用された。

戦後の混乱期のなかで、入管行政も現在のようには確立しておらず、様々な点で隙が生じていたことは否めない。その入管の隙をついて、日共は自らの犯罪行為を隠ぺいしてきたのだ。

逆に言えば、「人民艦隊」のような密航の横行への反省から、今日の出入国管理の体制がつくられてきたとも言える。

志位氏は「入管制度の抜本的改革を求める運動は、戦前の特高警察的な歴史をただす歴史的な意義をもつものです」と言うが、入管法を廃止あるいは骨抜きにしようとする要求は、日共の暗黒の歴史を覆い隠そうとする企てであることを忘れてはなるまい。

日本共産党 暗黒の百年史日本共産党

¥ 2000

関連する投稿


憲法改正の国会発議はいつでもできる、岸田総理ご決断を!|和田政宗

憲法改正の国会発議はいつでもできる、岸田総理ご決断を!|和田政宗

すでに衆院の憲法審査会では4党1会派の計5会派が、いま行うべき憲法改正の内容について一致している。現在いつでも具体的な条文作業に入れる状況であり、岸田総理が決断すれば一気に進む。


改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。


自衛隊員靖国参拝で防衛省内に共産党の内通者|松崎いたる

自衛隊員靖国参拝で防衛省内に共産党の内通者|松崎いたる

自衛隊員の靖国参拝の情報を赤旗と毎日新聞にリークした者を突き止めようとする防衛省と、防衛省内にいる内通者を守ろうとする共産党――事の本質は安全保障に直結する深刻な問題だった。


不法滞在者の本国送還と不法滞在狙いの外国人を入国させないための仕組みづくり|和田政宗

不法滞在者の本国送還と不法滞在狙いの外国人を入国させないための仕組みづくり|和田政宗

今年6月に入管法(出入国管理及び難民認定法)が改正された。改正を受けた難民審査の工程表作成を出入国在留管理庁(入管庁)に要請してきたが、先週その回答があった。今回は、不法滞在者や不法滞在での就労等を狙う外国人をいかに減らしていくか、取り組みの詳細について記していく。(写真提供/時事)


今こそ、旧宮家の男系男子の皇籍復帰を!|和田政宗

今こそ、旧宮家の男系男子の皇籍復帰を!|和田政宗

皇室は我が国の根幹であり、我が国の歴史そのものである。日本共産党の志位委員長はかつて、「多様な性を持つ人びとが天皇になることも認められるべきだ」と述べたが、これは皇統の破壊である。こうした論を無意味にするために今やるべきこととはなにか。


最新の投稿


【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

【今週のサンモニ】反原発メディアが権力の暴走を後押しする|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

【読書亡羊】「時代の割を食った世代」の実像とは  近藤絢子『就職氷河期世代』(中公新書)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

【今週のサンモニ】臆面もなく反トランプ報道を展開|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

トランプ再登板、政府与党がやるべきこと|和田政宗

米国大統領選はトランプ氏が圧勝した。米国民は実行力があるのはトランプ氏だと軍配を上げたのである。では、トランプ氏の当選で、我が国はどのような影響を受け、どのような対応を取るべきなのか。


【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

【今週のサンモニ】『サンモニ』は最も化石賞に相応しい|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。