【埼玉県川口市 クルドの現場を行く③】学校に行かない子どもたち|西牟田靖

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在日クルド人は日本語力・学力が乏しい。それは1世はもちろん、幼少期から日本で育った2世であってもその傾向がある。「ワラビスタン」で繰り返され、住民が辟易している迷惑・犯罪行為の原因はそこにあるのではないか。今回は在日クルド人2世と教育について考えてみる。


彼らの日本語力、そして学力はどうなのか。また不良行為との関連性はどうなのか。調べてみることにした。

まともな教育を受けないまま成人した

入管法改正反対を訴える仮放免中のトルコ系住民2世。アカウントは伏せるが、なかにはこうしたツイートを見つけた。

川口市に暮らす仮放免中の女子高生が、入管法改悪反対の意思表示として、段ボール紙に直筆で次のように書いている。

「仮放免で働くことができないのでどうやって生て行けばいいですか?」

僕は文面をみてすこし驚いた。「生きて行けば」と書くべきところを「生て行けば」と書いており、小学生レベルであるカナ交じりの簡単な日本語が正確に書けていなかったのだ。

またそれとは別に、石井孝明さんが書いた川口のクルドルポに対して、ツイッター上で次のようなリプが寄せられている。以下、原文のまま抜粋してみよう。

「日本人なのかんけもなく!! トルコ人クルド人できことです あのときある夏の日クルド人ビークAのスパで卵牛丼パン買って家にかいる」

「!!おまいさんが ここでむだなー くちたたいてるころは!! クルドのみんなさんあさの4:30おきて仕事ばむかてるそしてよる20:00ごろに家もどるかすりくていきてるんじゃないだよ まいにちまいにちはたらいて がんばてるんだ社会保年もなしじみんひうもなしで!! おまいみたいなやつの10倍がんばてる」

これを読み、僕は首をかしげた。日本語の読み書きができなくても、翻訳アプリを援用すれば、今や簡単に日本語が書ける。それができないというのはなぜなのかと。

調べてみると、この文章を書いた人物は難民申請中の仮放免2世であった。日本でいうと小学校の高学年のときに来日、小学校に6カ月だけ通い、その後は、解体業者として働いているという。つまりは、日本語はもちろんまともな教育を受けないまま成人したのだ。

学校にも行かず、午前中からウロウロ

5月15日の午後3時すぎ、川口市前川~芝下というクルド人が多く住む一帯を1人で歩いてみた。

その時間は、小学生の下校時間。午後4時ぐらいまでの間に、学校からの帰路についているトルコ系の子どもを見たのは小学3~4年生の男の子ひとりだけだった……。

しかし、トルコ系の子どもそのものはそこら中に見た。頻繁に車の行き交う道路の信号を無視して自転車で横断する子がいたり、中学生ぐらいの女の子と小学3年ぐらいの男の子が自転車で連れ立って移動していたり、小学2年ぐらいの男の子数人がコンビニの前でお菓子の包装紙やペットボトルのコーラを駐車場に散乱させたまま去って行こうとしたり――。

夕方には、クルド人が多く住んでいるというマンションの3階の外廊下で5~10歳ぐらいの女の子を最大10人ほど見た。彼女たちはかくれんぼか、だるまさんが転んだのような遊びをしていて、狭い廊下を走ったり、階段を駆け下りたりしていた。うっかり下に落ちてしまうんじゃないかと僕はそのとき冷や冷やした。

こうして子どもたちの様子を見て思ったこと。トルコ系の子どもたちは、大人の干渉を受けず、というか躾をまともにされず、放置されているように見える、ということだ。

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