取材現場では危険な目に合わなかったが
この連載は、読者の皆さんが入管法改正の是非を考えるヒントになればと思い、はじめたものだ。埼玉県川口市・蕨市を訪ね、地元住民やクルドの人たちに話を聞こうと試みた。
第1回では、ゴミの不法投棄現場や数十人の外国人が集まり騒然となった現場など、不良外国人が問題行動を起こしたとされる場所を訪ねた様子を記した。続く第2回は、実際の地元の人が受けた迷惑行為や起こっている犯罪について記してみたい。
5月15日の午後、埼玉県蕨市や川口市一帯にあるクルド人コミュニティ、通称ワラビスタンを車でまわった。そこで感じたのは「あれ、全然危険じゃないぞ」ということだ。
食品店の前で強い視線を感じたり、改造暴走車を数台見かけたりということはあった。しかし危険な目にはいっさい遭わなかった。中東系の女性たちが歩いているのをちらほら目にすること、ゴミ集積所にトルコ語らしき言葉で書かれていることを除けば、そこはごく平凡な住宅地であった。
だが、地域住民の思いは、通り過ぎただけの僕とは違っており、不良外国人から被る迷惑は、すでに耐え難いものであるようだ。不良外国人から受けた被害についてアンケートを募ると、皆さん、実に細かく記してくださった。
不正改造車による危険運転
多かったのは、不正改造車による危険運転に関するものだ。
「中東の音楽を大音量でかけた車が街中をグルグル流しています。中には昼間からドリフト走行をしている車もいて、とても危ないです」
「運転していて煽られました。バックミラーで確認したらクルド人。一方通行を逆走したり、クラクションで威嚇して走り抜けたりという危険運転を平気で繰り返すんです」
「自転車で横断歩道を走行していたら、一時停止を無視して、SUVが突っ込んで来て轢かれそうになりました」
日常系の苦情に関するものも多かった。
「昨年1月、道路の向かいにクルド人が経営するバーができました。それ以来、睡眠不足に悩まされています。店の前にマフラーを改造した車がアイドリングしたまま何台も路上駐車しているんです。店はドアを開けっぱなしにして深夜まで営業しているので客の声とかもうるさくて仕方ありません」
《バーの前にはアイドリング状態の路上駐車が……》
(写真:住民提供)