今こそ防衛装備移転三原則の改定を!|和田政宗

今こそ防衛装備移転三原則の改定を!|和田政宗

戦後の世界秩序や常識がロシアのウクライナ侵略によって完全に破壊された――。もうこれまでの手法では、我が国の平和も世界の平和も守れない。今こそ防衛装備移転三原則の改定を行うべきではないか。


内閣の閣議決定で改定できる

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現在の防衛装備移転三原則では供与は難しいと考えられるが、この三原則は法律ではないので、時の内閣の閣議決定において改定することができる。

直接的にMLRSをウクライナに供与できるように三原則を緩和する考えや、直接的な供与は難しいというのであれば、第三国に供与し、第三国の判断でウクライナに供与することができるようにするという考えもある。

もうこれまでの手法では、我が国の平和も世界の平和も守れない。だからこそ、我が国防衛の考え方を大転換する安保3文書改定を行ったし、今こそ防衛装備移転三原則の改定も行うべきではないか。

現在の防衛装備品の生産体制において有事が発生した際、海外からの部品供給が止まれば、侵略国を我が国が撃退するための防衛戦が継続できないこともあり得る。サプライチェーンを含む防衛産業の基盤強化は急務であり、防衛装備移転三原則を見直し、同志国への輸出拡大に踏み込むことも真剣に議論し結論を出すべきだ。

もし、民間企業が安定して防衛装備品を生産できる環境を作れないのであれば、安保3文書にあるように「他に手段がない場合、国自身が製造施設等を保有する形態を検討していく」しかない。国営の工廠(武器・弾薬等の開発製造工場)は米国等にある。

いざという時に国土と国民を絶対に守るため、そして世界の平和を守るために、我が国はどう行動し、そのためにどう体制整備をしておくのか。これまでの考えにとらわれることなく、今こそ手を打つべきだ。

月刊『Hanada』2023年5月号

日本国憲法「改定」

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