ミツカン「種馬事件」 まさかの敗訴|西牟田靖

ミツカン「種馬事件」 まさかの敗訴|西牟田靖

2013年、約1年間の交際を経て、中埜大輔さんは、幸せな家庭を築けると信じて聖子さんと結婚する。だが、彼の人生は義父母であり、ミツカンの会長・副会長でもある和英・美和氏によって破壊された――。


親子引き離しは児童虐待

判決後の会見で河合弁護士は憤った。

「判決では和英・美和の酷い行為がたくさん事実認定してありました。ただ我々は、20数項目にわたって彼らの違法行為を主張しているんですけど、そのうちのひとつ、聖子氏に離婚を強制したということしか、判断の対象にしていない。

今回は単独の裁判官の判決ですので、控訴審では人情の機微がわかった裁判官に合議体で審議してほしい。本人にも確認したんですが、本人は断固、控訴して戦い続けます、と」

大輔氏はショックを隠さずに言った。

「私は4年近く息子と生き別れています。血を分けた可愛い我が子なのに、ミツカンと創業家によって無理やり引き離されて全く会えず、声すら聞くことができていません。

今回の裁判は、聖子氏の離婚意思の有無ぐらいの判断で終わっていて、本当の問題となっている『ミツカンの人事権を濫用して、私と息子を引き離した』ということや、実際にそれに対して『仮処分裁判でミツカンが敗訴している』ということが全く入っていない。そのことは衝撃で正直ものすごくショックを私は受けています。

客観的証拠を踏まえれば、中埜和英・美和氏は、私の個人の尊厳を踏みにじったというふうに言わざるを得ない。なぜならば、親子が愛を育むことは基本的人権で定められていることだからです。
親子引き離しというのは、日本が批准する国際条約である子どもの権利条約第9条、これに明確に禁じられている児童虐待行為なんです。

つまり彼らはミツカンの人事権を使って、人として恥ずべき行為、親子引き離しをした。そのことが客観的証拠によって裏付けられています。改めて強く抗議をさせていただきます」

大輔さんの戦いはまだまだ続く。

ミツカン「種馬事件」②家族破壊工作の全貌|西牟田靖【2022年9月号】

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・ミツカン会長夫妻の企み・創業家の財産維持がすべて・組織ぐるみで「離婚工作」・「実子誘拐」に至る経緯・三千万円で口封じを画策・約一年ぶりの再会だったが・子の権利を尊重する英国・日本はまるで犯罪者扱い・孫に会えなかった両親・親子の縁が再び切れた・息子に真実を残したい・中埜聖子さんからの回答ページ数:14ページ(PDF)掲載号:月刊Hanada2022年9月号※商品の特性上、購入確定後のキャンセル・交換・返品(返金)はお受けできません。

ミツカン「種馬事件」③中埜会長の急死と裁判で暴かれた真実|西牟田靖【2022年12月号】

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・八年ぶりの対面だった・聖子さんが流した涙・「声が大きすぎます」・本件のキーパーソン登場・弁護士に論破された会長・弁護士が出した「切り札」・「棚ぼた」発言の真意・「追い出すべき」の真意・放言を連発する美和氏・死の直前に届いた書面ページ数:13ページ(PDF)掲載号:月刊Hanada2022年12月号※商品の特性上、購入確定後のキャンセル・交換・返品(返金)はお受けできません。

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