「緑なき島」、高額報酬、天下り、はぐらかし続けるNHK|和田政宗

「緑なき島」、高額報酬、天下り、はぐらかし続けるNHK|和田政宗

1月31日に行われた自民党総務部会(NHK予算審議)は大紛糾となった――。NHKは国民の受信料から成り立っている組織である。「経営改革」と言いながら、自らの報酬に手をつけない経営陣がこの世のどこにいるだろうか。


パワハラ、セクハラ、不祥事が止まらない原因

これを私が指摘したところ、「はぐらかしたのではなく、社長について説明した」とNHKの理事は述べたが、このように事実を隠さなくてはならないこと自体がおかしいと思わないのだろうか。

ちなみに昨年NHK理事を退任後、NHK厚生文化事業団理事長になった人物がいるが、理事長の報酬は1260万円である。その他の関連会社等でも社長や役員は、同等か同等以上の報酬となっている。これら関連会社や関連団体の収入は、NHKからの仕事の受注(=受信料収入)が元になっていたり、NHKのネームバリューで資金が集まったりするものである。

NHKはこれら高額報酬について、国民に堂々と説明がつくものと言えるのだろうか。もし言えるのであれば、隠すのではなくむしろ積極的に公開すれば良い。理事報酬や天下りに手をつけないなか、若手職員の給与に影響が出ており、NHKは優秀な人材の獲得競争に勝てないというしわ寄せが出ている。

そして、理事に昇格すれば、職員のみでキャリアを終えるよりも生涯賃金は5000万円以上も変わり、理事の強力な権力をも得られることから、理事昇格に向けた権力闘争は激しく、組織もゆがむ。パワハラ、セクハラ、不祥事が止まらない大きな原因もここにある。

NHKは国民の受信料から成り立っている組織である。理事の高額報酬も天下りも改革できないのであれば、民営化して自身で収入を得れば良い。引き続き、党の会議や国会審議で追及していく。

月刊『Hanada』2023年3月号

日本国憲法「改定」

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