邦人救出作戦、足かせは憲法9条
政府は今年、2021年のアフガニスタン紛争の例を教訓に、自衛隊機などで自国民を海外から救出輸送する際の危険回避の条件について、「輸送を安全に実施することができる」から、「方策を講ずることができる」へと法改正を行った。
ただ、邦人の救出輸送のために自衛隊機を自国の意志のみで自由に派遣できるかというと実はそうではなく、派遣地域における相手国か、無政府状態であれば地域を支配している相手の同意が必要である。
さらに、空港に到着した邦人を救出輸送するのみでなく、その地域に入っていって救出作戦を自衛隊が行うことは憲法9条の足かせがあり出来ない。国際法上は自国民の救出は制約を受けないのであるが、普通に出来ることが憲法9条によって制限されている。
憲法解釈を変更するか憲法9条を改正し、北朝鮮が無政府状態に陥った場合に拉致被害者を奪還できるようにすべきであり、私は引き続き実現に向けて動く。
ここまで述べてきたことからわかるように、日本は真に国土や国民を守るために防衛上の制約があまりに多すぎた。中国やロシアが軍事的横暴を続ける中で、アジアの平和を守れるのは日本である。
中国やロシアによる侵略危機の中で重要なのは抑止であり、日本の抑止力を高めるのは当然の事のみならず、日本を含めたアジア諸国が防衛協力を行い多国間で抑止力を高めることが重要である。
こう言うと「日本は戦争をする国になる」という勢力が出てくるが、アジアの安全保障環境は急激に変化し危機的状況となっている。「戦争をさせない」ための防衛協力や同盟が必要な時代なのだ。
中国やロシアによる侵略が始まってからでは遅い。これらの国にも北朝鮮に対しても横暴と侵略を許さない日本の覚悟と変化、リーダーシップが今こそ求められる。