日本を守るための“最後のチャンス”|門田隆将

日本を守るための“最後のチャンス”|門田隆将

2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、日本にさまざまなことを突きつけた。いまこそタブーなき議論で日本を守るための手を講じよ!


ウクライナの人々への感謝と尊敬

Getty logo

日本にとって最後のチャンスかもしれない――そんな思いでウクライナ情勢を見つめている。幾許かの寄付と応援の発信ぐらいしかできないが、私はウクライナの人々への感謝と尊敬の気持ちで一杯だ。
 
2月24日に始まったロシアによる侵略で、当初、総崩れになるかと思われたウクライナ。しかし、ゼレンスキー大統領の二つの決断が状況を一変させた。
 
1つは、命を捨てて「キーフに残る」ことであり、もう1つは、その上で「18歳以上60歳以下」の男たちに出国を禁じる総動員令を発するのを決断したことである。
 
2つの決断で、ウクライナ人は固まった。祖国のため、自由と尊厳のため、ウクライナを守り抜くことで国民もまた立ち上がったのだ。「中立化」と「非ナチ化」「非武装化」というあり得ない要求を掲げて一方的に侵略を開始したロシア軍。

要求を呑めば、ウクライナという国は消え去り、抵抗する人間は虐殺・拷問の上に民族浄化されていくだろう。ウクライナ人はそのことを知っている。これまで何度も経験した、「命」を何とも思わないロシアの本性が忘れられないのだ。
 
そして凄まじいウクライナ人の闘志は、ロシアが予想もしなかった激戦を各地に呼び込んだ。侵略開始から3日間の動きは、世界の歴史に特筆される。2日で首都・キーフを攻略し、戦争終結を目論んでいたプーチン大統領の計画は完全に破綻。逆に自由主義陣営はこの3日間で息を吹き返した。
 
ポイントは、プーチンが当てにしていたドイツにある。激しいロシア批判のデモはドイツでも変わらず、その熱気と正義感はショルツ政権を追い詰めた。ロシア金融機関のSWIFTからの排除は、予想通りドイツの反対で暗礁に乗り上げた。

これを適用されたらルーブルは暴落し、国債は紙切れになり、ロシア経済は崩壊する。だからこそ、プーチンにとってドイツが頼りだった。
 

岸田首相の発言に唖然

Getty logo

関連する投稿


憲法改正の国会発議はいつでもできる、岸田総理ご決断を!|和田政宗

憲法改正の国会発議はいつでもできる、岸田総理ご決断を!|和田政宗

すでに衆院の憲法審査会では4党1会派の計5会派が、いま行うべき憲法改正の内容について一致している。現在いつでも具体的な条文作業に入れる状況であり、岸田総理が決断すれば一気に進む。


6月10日施行の改正入管法で一体、何が変わるのか?|和田政宗

6月10日施行の改正入管法で一体、何が変わるのか?|和田政宗

不法滞在者や不法就労者をなくす私の取り組みに対し、SNSをはじめ様々な妨害があった――。だが、改正入管法施行の6月10日以降、誰が正しいことを言っているのか明らかになっていくであろう。(写真提供/時事)


全米「反イスラエルデモ」の真実―トランプ、動く! 【ほぼトラ通信3】|石井陽子

全米「反イスラエルデモ」の真実―トランプ、動く! 【ほぼトラ通信3】|石井陽子

全米に広がる「反イスラエルデモ」は周到に準備されていた――資金源となった中国在住の実業家やBLM運動との繋がりなど、メディア報道が真実を伝えない中、次期米大統領最有力者のあの男が動いた!


衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

衆院3補選「3つ勝たれて、3つ失った」自民党の行く末|和田政宗

4月28日に投開票された衆院3補選は、いずれも立憲民主党公認候補が勝利した。自民党は2選挙区で候補者擁立を見送り、立憲との一騎打ちとなった島根1区でも敗れた。今回はこの3補選を分析し、自民党はどのように体勢を立て直すべきかを考えたい。(サムネイルは錦織功政氏Xより)


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


最新の投稿


【今週のサンモニ】暴力を正当化し国民を分断する病的な番組|藤原かずえ

【今週のサンモニ】暴力を正当化し国民を分断する病的な番組|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


正常脳を切除、禁忌の処置で死亡!京都第一赤十字病院医療事故隠蔽事件 「12人死亡」の新事実|長谷川学

正常脳を切除、禁忌の処置で死亡!京都第一赤十字病院医療事故隠蔽事件 「12人死亡」の新事実|長谷川学

正常脳を切除、禁忌の処置で死亡――なぜ耳を疑う医療事故が相次いで起きているのか。その実態から浮かびあがってきた驚くべき杜撰さと隠蔽体質。ジャーナリストの長谷川学氏が執念の取材で事件の真相を暴く。いま「白い巨塔」で何が起きているのか。


トランプ前大統領暗殺未遂と政治家の命を軽視する日本のマスメディア|和田政宗

トランプ前大統領暗殺未遂と政治家の命を軽視する日本のマスメディア|和田政宗

7月13日、トランプ前大統領の暗殺未遂事件が起きた。一昨年の安倍晋三元総理暗殺事件のときもそうだったが、政治家の命を軽視するような発言が日本社会において相次いでいる――。


【今週のサンモニ】テロよりもトランプを警戒する「サンモニ」|藤原かずえ

【今週のサンモニ】テロよりもトランプを警戒する「サンモニ」|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


安倍元総理の命日にあたり、その功績を改めて記す|和田政宗

安倍元総理の命日にあたり、その功績を改めて記す|和田政宗

本日は安倍晋三元総理の命日。安倍元総理が凶弾に倒れてから2年を迎えた。改めてご冥福をお祈りするとともに、非道な暗殺を満身の怒りをもって非難する。