福島県民の苦悩の日々
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故から平成30年3月11日で丸7年を迎えました。「もう7年」とみるか「まだ7年」と受け止めるか、立場や環境によって受け止め方は様々でしょう。
大震災と原発事故が発生した当時を思い返すと、「福島県には人が住めなくなる」「内部被ばくによる癌が増える」といった無責任な情報が、評論家や自称科学者たちによって、メディアを通じて垂れ流されていました。
こうした自称専門家たちの無責任な発言により、福島県内の女子たちは「私は被曝したから子供を産むことができない」「被爆した女性から奇形児が産まれる」と真剣に悩み、同時に女子の保護者である親たちも苦悩の日々が続いたことは切実な問題であったと言えます。
本来であれば、放射性物質に関するデマ情報を是正する役割を持つメディアが、「福島県民に対する差別」につながる陰湿な情報を延々と報道してきたことは、私たち福島県民にとって忘れることは出来ません。
震災と原発事故から7年が経ち、メディアの報道は是正されたのでしょうか。残念ながら、現在も福島県と福島県民に対するメディア発の嫌がらせは続いています。正確に書けば「県外メディアによる嫌がらせ」です。
その嫌がらせは、事故発生直後よりもさらに巧妙化し、普段の何気ない報道に混ぜ込むという悪質な手段を行使しているため、その検証が難しくなっています。
一方、放射能に対するポジティブな情報はほとんど封殺されています。
昨年12月30日の福島民友に印象的な2つのニュースが掲載されました。
〈新米4年連続で基準値超ゼロ 17年産956万点、18年も全袋検査
福島県産米全ての放射性セシウム濃度を測定する全量全袋検査について、2017年に生産された「新米」に当たる12月末までのコメ約956万点全てが、一般食品の放射性セシウムの基準値(1キロ当たり100ベクレル)未満となる見通しとなった。県産新米の基準値超えゼロは14年産米から4年連続となる。放射性セシウムの検出下限値未満の割合は99.99%に上る〉