【読書亡羊】選挙という「祭り」は踊らなければ損! 畠山理仁『コロナ時代の選挙漫遊記』(集英社)

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする週末書評!


それぞれの候補者は大変な覚悟をもって立候補している。大きなリスクを背負い、有権者の選択肢になろうとして体を張っている。こうした人たちがいなければ選挙は成立しない。そのありがたみを再認識してほしい。

今のように一部の候補者をバカにする風潮が続いていけば、新たな挑戦者を委縮させてしまう。新規参入者がいなくなれば業界はすたれる。ますます「投票したいと思える人」が出てくる可能性は低くなる。皆さんが望んでいるのは、そんな世界だろうか。

絶対に違うと思う。

黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い

「どう考えても勝てないでしょう」とごちる候補も

畠山氏の取材の過程では、立候補していながら、問い合わせの電話に一切出ない候補もいれば、ポスターさえ貼らない候補もいる。しかし生身の人間がリアルに繰り広げる選挙の現場は、なるほどこれ以上ない人間ドラマの宝庫と言える。

印象深いのは、名古屋市長選挙に立候補した太田敏光候補だ。「どう考えても勝てないでしょう」と言いながら、それでも立候補する太田氏は、名古屋市議会に対して「ものすごい数」の陳情を行ってきたという。「名古屋市議会の傍聴席を増やせ」「市議会議員の海外視察後の報告書提出を義務付けよ」などという陳情は、その後、実現に至っている。

市民目線の、まごうことなき「政治経験」と「実績」があるのだ。

しかし候補者のそうした一面も、聞いてみなければなかなか知りえない。有権者として、我々はどうすべきなのか。

畠山氏は具体的な方法を紹介している。

選挙の楽しみ方として、候補者本人の話を聞く、というのは第1段階だ。第2段階としておすすめしたいのが、候補者の周りにいる人に話を聞くこと。そして第3段階は、街頭演説場所に来ている人に声をかけてみることだ。

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