ゴジラブルーの魅力
歪み怪獣ソフビの魅力を理解出来た最初のきっかけは、キングコングのソフビを知ってからだ。
マルサンから発売されたキングコング。と言いたいところだけど、版権の問題でジャイアントゴリラという名前で発売された。
マルサンのオリジナル怪獣として当時発売されているが、アニメ版『キングコング』時期であり、東宝映画『キングコングの逆襲』(1967)でコングと共に登場したゴロザウルスもこの時期に発売されているので、間違いなくこれはキングコングだ。
ジャイアントゴリラの歪みは強烈。こんな体で整体の施術に行ったら整体師さんがビックリしてしまう。ギックリ腰の時、鏡に映る自分の姿はこんな感じだ。それなのにジャイアントゴリラには重厚感や趣があるのは何故だろう?
おそらくそれは成形色がゴジラブルーだからだ。いきなりゴジラブルーと言われても、マルサンの怪獣ソフビを知らない人にはなんのこっちゃであるから説明しよう。ゴジラブルーとは、マルサンから発売されたゴジラのソフビで使われている成形色の事で、濃いブルーが使われている。
マルサンが怪獣ソフビを発売した当時、ゴジラより先に円谷プロの『ウルトラQ』に登場したガラモンやゴメスなどが発売された。
これらの怪獣の第一期発売品が濃いブルーだったので、マルサン当時モノを愛する怪獣ソフビコレクターはゴジラブルーが好きなのだ。ガラモンブルーと言われないのは、販売数とメジャー度でゴジラの勝ちで、ゴジラブルーが主流となった。
このゴジラブルーの魅力に関しては、いつの日かこの連載で熱く熱く書こうと思う。
左右非対称、これは決して悪くない。人間の顔も同様で左右非対称だから生きた顔になる。左右対称は死んだような顔になるからね。スターウォーズのダースベイダーもそうだった。最初に作られた3部作のダースベイダーマスクは粘土原型から作られたものだったので左右非対称。
ところがエピソード3(2005)に登場したダースベイダーは3Dデータで作ったモックアップが原型になっているので左右対称の顔になった。その為、なんの面白みもないマスクが完成してしまった。皆さんには是非それを画面で確認してもらいたい。
ソフビもマスクもパソコンで作った造形物は面白みがない。アイアンマンのようなメカはそれでも良いが、やっぱり怪獣は駄目だ。今後バンダイから発売される怪獣ソフビもそういった歪みの味を出してくれたら良いのにと思っている。
ゴジラブルーが美しいジャイアントゴリラ。ギックリ腰の時の自分はこんな感じの立ちポーズになる。
著者略歴
昭和45年8月22日生まれ。たけし軍団初の2世タレントとして、91年デビュー。趣味の特撮キャラ収集では、30年以上前から専門誌やイベントで資料提供している。主催のお笑いライブは、個人主催では最長記録である。