アリランTVのインタビューに出演したクマラスワミ(Radhika Coomaraswamy)
2. 争点
(1) 慰安婦問題に対する認識
韓日間の歴史問題を解決するためのもっとも基本的なアプローチは、「何が事実か」に対する合意に基づき「この事実をどう見るべきか」という解釈の問題に転換していくのが望ましい。
だが、韓国では事実を度外視し、当為の問題に執着する。まず評価を下し(結論を先に決め)、その結論を立証するために資料を収集する演繹的な方法を数十年間、政府と公共団体の支援で蓄積してきた。
慰安婦被害者の証言は如何なる検証もされず、『事実』として受け入れられている。甚しきは、同じ人物による証言が時期ごとに内容が異なっていて矛盾があっても問題とされない。専門研究家と称する者たちは慰安婦の被害像を必要以上に誇張し、日本の責任と完全な屈服を目的として国際的連帯を始めとする、莫大な予算を支援され、消耗的な活動をしている。
皮肉にも韓国と日本国内の慰安婦活動家、団体、またはこれらを支援する国家権力の中の一部は慰安婦問題が終結するのを望まない。彼らは慰安婦を始めとする歴史的葛藤問題が自分たちの存立目的を生計化するpro-job(専門職)の手段になった。彼らのプロパガンダに忠実な資料が、まるで真実であるかのように無差別に流通されている現実に照らし合わせて見る時、クワラスワミの報告書もこれらの資料の影響を受けた痕跡が濃厚である。
すなわち、国連クマラスワミ報告書は国際社会の自主的な調査ではなく、韓国、北朝鮮そして日本の朝総連関係団体側が一方的に提出した資料を基に、学術的な検証すらなく受容した不誠実な報告書といえる。