世界一の要注意人物・習近平の思考回路|石平

世界一の要注意人物・習近平の思考回路|石平

毛沢東以来の、共産党政権最大の独裁者・習近平はいったいどのような思考回路をしているのか? 私はこう断言する!「習近平には、長期的な視点に立って自国の国益を考える余裕もなければその能力もない」と。


最大の独裁者

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新連載「知己知彼」の第2回目は、 中国の独裁者・習近平をとりあげてみる。  

習近平といえばいま、毛沢東以来の、共産党政権最大の独裁者となっている。彼は公式的には、中国共産党総書記、共産党軍事委員会主席、国家主席、国家軍事委員会主席などの肩書を持ち、党と国家の最高指導者であり、軍の最高司令官である。  

その一方で彼はまた、中央の「○○領導小組」の「組長」のポストを十数個も兼任している。「領導小組」とは、政権の中枢において常設されている「○○対策本部」のことであり、「組長」は各分野における政権運営の司令塔である。習近平が「組長」を兼任している「領導小組」には、中央財経領導小組、中央外事領導小組、国防及び軍隊改革深化領導小組、中央インターネット安全領導小組などがある。  

前述の「総書記」「主席」などの公式ポストを合わせて、いまの習近平は、おそらく世界で最も兼任ポストが多く、「組長」という肩書を一番多く持つ指導者であろう。

本欄第1回目で中国共産党政権を「ヤクザのなかのチンピラ」と揶揄したが、やはり政権トップの習近平は、「組長」という肩書をこよなく愛している。

自ら国際的孤立を招く

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