バイデン陣営が答えるべきこと|島田洋一

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「バイデンが当選すれば、中国が我々の国を乗っ取る」とトランプ大統領。オバマ政権の副大統領だったバイデン氏。中国に完全にコケにされたオバマ政権の総括も、対中政策を今後どうすべきかについても未だ沈黙を貫く。バイデン氏は米大統領候補者として適格なのか?


見えない統率力

バイデン氏は民主党のリーダーとして、また長年議会に籍を置いた身として、対議会統率力で大いにトランプ氏との差を見せつけねばならないはずだが、何ら動きがない。ハリス氏は大統領選に名乗りを上げたものの、極左に迎合しては中間派寄りに立場の修正を繰り返して陣営が内紛状態に陥り、結局、予備選開始前に撤退に追い込まれた。バイデン氏以上に統率力を欠く

現状では、バイデン氏は期待できない既知数、ハリス氏は期待できない未知数と言わざるを得ない。。( 2020.08.24 国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)

著者略歴

島田洋一

https://hanada-plus.jp/articles/404

福井県立大学教授、国家基本問題研究所評議員・企画委員、拉致被害者を救う会全国協議会副会長。1957年大阪府生まれ。京都大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。著書に『アメリカ・北朝鮮抗争史』など多数。

国家基本問題研究所「今週の直言」

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