自治体職員の悲鳴
機関紙というのはその団体に所属する会員が購読するもので、その部数は通常、会員数を下回る。だが、「赤旗」は逆で、日刊・日曜版の合計購読部数が党員の4倍ほどに上る。全国の市町村の共産党議員が、支持者以外の人々に血眼になって「赤旗」を拡大しているためだが、その犠牲者は他ならぬ役所の職員なのだ。彼らの“悲鳴”を以下に紹介しよう。
福島県の(株)東邦出版発行の月刊誌『政経東北』の2017年9月号は、庁舎内での政党機関紙の配達・集金・勧誘問題を特集。同県の地方公務員の次のような投書を掲載している。 「地方公務員への『しんぶん赤旗』販路拡大につきましては、日本共産党議員は、役所内で管理職に昇進した職員がいると、すぐにやってきて『しんぶん赤旗』の購読を迫ります。(中略)下手に断ると議員活動等で何らかの嫌がらせを受けるのではないかと思い、やむを得ず購読しているという実態です。
さすがに、日刊版までとは言ってきませんが、党勢拡大を狙った日曜版の読者拡大が狙いです。これは公務員の弱みにつけ込んだ押し売り以外の何物でもありません。
日本共産党は弱者の見方といいつつも、公務員の弱みにつけ込んだ手法で自分のノルマを果たしているのでしょう。しかも、日本共産党議員は、公務員の勤務時間中に職場にやってきて、勧誘、配達、集金をやっております。庁舎内での営業許可を取得しているかどうかは分かりませんが、政治的中立を求められる公務員に自らの政党機関紙を売りつけ活動資金にしているのです。個人の政治信条に反していても購読せざるを得ず、それが共産党の資金源になっていることは耐え難いと感じている公務員が大多数であると思われます。(中略)全国の都道府県庁、市区町村役所の本庁については、(管理職の「赤旗」購読が)8割を超えているのではないかとの印象です。それぐらい我が職場における日本共産党の押し売り営業はひどいものがあります」
共産党議員のパワハラ勧誘
石川県金沢市では、自民党の坂本泰広市議が昨年12月の議会で、政党機関紙の購読に関する独自調査の結果を公表した。同氏が、係長以上の職員で無作為に選んだ百人に電話調査を実施。その結果、課長級以上の職員の87%以上の購読が判明。購読者の約85%が議員からの勧誘によるもの、うち45%の人が圧力を感じ、しかもその全員が「断りにくい」と感じていたと伝えたという。
さらに、坂本市議は職員から届けられた手紙を読み上げた。 「この手紙には職員の悲痛な叫びがつづられていました。大学に通う子供を抱えているのに、無駄な支出がふえ、いい迷惑だ。彼らが反対している家庭ごみ有料化よりもはるかにお金がかかります。家庭ごみ有料化でごみは減るが、政党機関紙はごみをふやすだけです。さらに、議員の個人名、そして複数の政党機関紙名を挙げたうえで、はっきりとパワハラだと。パワハラを受けていると書いているんです。職員に対するパワハラです」
これを受け金沢市は今年2月下旬、課長補佐級以上の一般職667人に対して、政党機関紙の購読勧誘に関する無記名調査を行った。その結果、うち537人が回答。「市議に庁舎内で政党機関紙の購読勧誘を受けたか」との問いに「ある」217人(40・4%)、「ない」314人(58・5%)だった。「ある」と回答したうち、「勧誘の際に心理的圧力を感じた」と答えたのは171人(78・8%)に上った。