知らない間に血税で「しんぶん赤旗」を購読
全国47都道府県庁で公費によって購読されている政党機関紙のなかで、日本共産党機関紙「しんぶん赤旗」の部数が突出していることに注目し、世界日報「しんぶん赤旗」問題取材班は、3年あまり調査取材を行ってきた。
2017年度の調査では、全国の都道府県庁の共産党系機関紙(日曜版、県版を含む)購読部数の総合計が1021部に達しており、年間の総支出でざっと3200万円を超える金額だった。それが毎年、都道府県民の血税から“知らない間”に出費されていたのである。
昨年は、同党機関紙を20部以上購読していた千葉、神奈川、北海道など14都道府県を対象に調査。今年度も同じ14都道府県を調査し、購読部数に変化があるか調べた。その結果、大きく減紙した県庁と、ほとんど変わらない、あるいは増紙した県庁のほぼ二つに分かれることが分かった(下の表参照、一部調査中)。
問題を重視し、議会で是正を求める動きに出た千葉県庁では部数が半減。問題を軽視し、放置してきた愛媛や大阪府などでは部数にあまり変化がなかった。相変わらず、税金の無駄使いが行われているのだ。
「しんぶん赤旗」の問題は、都道府県庁や市役所での公費による購読だけではない。私費で県庁や市役所の職員が購読する場合でも、共産党県議や市議が購読を強要したり、押し付けやパワハラに及ぶケースもある。中立、公正が求められる庁舎や役所内で購読させられることが多いのにも問題がある。なかでも東京都庁では異例の配達許可証が出され、管理規則違反の勧誘が行われている可能性もある。
共産党収入の85・1%を占める赤旗関連収入
「しんぶん赤旗」は、共産党の組織、宣伝、教育活動の有力なツールであるばかりでなく、党財政を支える主柱だ。2017年度の政治資金報告による党収入の総額は約217億円、うち赤旗関連収入は約184億円で全体の85・1%を占める。
政党助成金を1円ももらっていない共産党にとって、部数の減少は党活動の後退に直結する。そのため、4月の統一地方選で後退した党勢を反転させようと、党中央は「しんぶん赤旗購読を呼びかけよう」との檄を飛ばした。今後、公正中立が保たれるべき庁舎内で、あの手この手の購読勧誘が展開される可能性が大きい。
取材班が政党機関紙の公費購読の問題に取り組んだのは、3年あまり前のことだった。「地方の自治体で、かなりの数の赤旗が、政党機関紙のなかでも偏って多く庁内で公費で読まれているらしい。それは問題ではないか」との声が、読者から寄せられてきたからだ。