朝日新聞は「アッキーストーカー」だ!|岩瀬朗

朝日新聞は「アッキーストーカー」だ!|岩瀬朗

朝日新聞デジタルというウェブ限定の記事とはいえ、この日の朝日の報道には脱力せざるを得なかった。担当記者は「昭恵叩き」に興じる自社の紙面(社論)や上司の意向を忖度して書いたのか。あるいは本当に「こんな投稿に『いいね』を押すなんて許せない」と怒りを抑えながら書いたのか。


「事実の解明よりも倒閣」

何より、籠池氏本人が証人喚問の場で「昭恵夫人に口利きはしてもらっていない」と述べている。教育理念に共鳴して講演に訪れ、名誉校長を引き受けはしたが、土地購入までの経緯を詳述した財務省の「改竄前決裁文書」でも昭恵氏の交渉への直接の影響は読み取れない。

あれだけ詳細な交渉記録が出てきたのに、交渉の場にいたこともない昭恵氏が、交渉の何を知っているというのか。

朝日がこうまで「国会招致」を求めるのは、全容解明のためなどではない。「私や妻がかかわっていたら、総理も議員も辞める」と述べた安倍総理の言葉をとらまえて、「一言もでも昭恵夫人が『関与』を臭わせれば安倍を討てる」とする、ただそれだけの目的である。そしてそれは野党の思惑とも一致する。

「事実の解明よりも倒閣」という新聞に、報道機関としての資格はない。野党にも野党たる資格はない。

2018年3月2日、朝日が「スクープ」した財務省文書改竄で、森友問題は息を吹き返した。これによって朝日新聞は再び「昭恵氏を国会へ」との「社論」を前面に出すようになった。

3月15日、昭恵氏が経営する飲食店に昭恵氏を脅迫するはがきが届いた。翌26日に産経と読売は記事にしたが、朝日は黙殺。22日に再度、今度は安倍総理と昭恵氏を脅迫するはがきが届き、朝日新聞は3月14日になってようやく記事にした。脅迫を行った人物は、「朝日の記事に触発されて脅迫文を送った」可能性さえある。

朝日新聞は、以前「ジャーナリズム宣言」と題する販促キャンペーンで、こんなコピーを使った。

「言葉は感情的で、残酷で、ときに無力だ。それでも私たちは信じている、言葉のチカラを」

感情的で残酷な「昭恵叩き」はもうやめるべきだろう。「言葉のチカラ」を信じているのなら。

月刊『Hanada』セレクション『財務省「文書改竄」報道と朝日新聞 誤報・虚報全史』より)

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