朝日新聞は「アッキーストーカー」だ!|岩瀬朗

朝日新聞は「アッキーストーカー」だ!|岩瀬朗

朝日新聞デジタルというウェブ限定の記事とはいえ、この日の朝日の報道には脱力せざるを得なかった。担当記者は「昭恵叩き」に興じる自社の紙面(社論)や上司の意向を忖度して書いたのか。あるいは本当に「こんな投稿に『いいね』を押すなんて許せない」と怒りを抑えながら書いたのか。


かつての首相夫人・鳩山幸氏は「UFOに乗って金星に行った」「私は太陽をパクパク食べている」などという発言がロイターやAPなど大手海外メディアでも報じられた。首相夫人がどんな思想であろうと勝手だろうが、比べるまでもなく「太陽パクパク」の方がよほど恥ずかしい。

「首相夫人付き職員」の動向が問題になると、「首相夫人は私人か、公人か」という議論が沸き起こった。2017年3月15日には民進党の逢坂誠二衆院議員の質問主意書に対する答弁書として「首相夫人は私人」という閣議決定がなされた。

この「私人か、公人か」「活動に公務員を随行させるのはどうか」という問題は、1年以上に及ぶ森友騒動のごく初期の段階で火が付いた問題だった。その扱いや活動範囲等について議論を深めることは、これからの時代の新しいファーストレディの在り方という点で必要ではあった。

だが朝日新聞は、単に「昭恵が悪い」「その昭恵を管理できない総理が悪い」「森友でも夫人の言動によって何かが動いたのではないか」式に叩くばかりで、議論を深める気などさらさらなかった。

「家庭内野党」は支持

そもそも脱原発や防潮堤反対などの「家庭内野党」的スタンスを持ち上げていたのは、他でもない、朝日新聞である。むしろ、安倍総理を支持する層は、「昭恵さんを自由にさせていて大丈夫なのか」と苦言を呈していたくらいだ。

朝日新聞は〈原発輸出、首相の妻「心痛む」 講演で「私は家庭内野党」〉(2013年6月11日)という記事に続いて、2014年1月8日には、〈「家庭内野党」か、夫の「理解者」か 安倍昭恵・首相夫人に聞く〉という昭恵氏の1700字を超えるインタビューを掲載。

〈昭恵さんは2006〜07年の第一次政権では「自分らしさがなかった」と振り返る。その後、地元・山口で稲作に挑戦したり、都内に居酒屋をオープンしたりといった試みを始めた。
 政権は原発再稼働に前向きだが、昭恵さんは「事故が起きると影響が大きい」と否定的で、再生可能エネルギーの新技術を研究する施設を新設するよう首相に提案した。講演では「私は家庭内野党」と語り、政権の原発輸出に苦言を呈す〉

「首相との役割分担」という主なコメントを取り上げる欄でも、こんな昭恵氏の談話を紹介している。

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