ICCは独立した、常設の裁判所で、国際社会全体の関心事であるもっとも重大な犯罪、すなわち集団殺害犯罪(ジェノサイド)、人道に対する罪、戦争犯罪に問われる個人を訴追する。また、2017年に締約国が行う決定によっては、侵略犯罪に対しても管轄権を持つことになる。刑事裁判所は、1998年7月17日、ローマで開かれた全権大使会議で採択された「国際刑事裁判所ローマ規程」によって設立された。ローマ規程は2002年7月1日に発効した。2016年11月現在、締約国は124カ国である。刑事裁判所は法律的にも機能的にも国際連合から独立しており、国連システムの一部でもない。国連と刑事裁判所との協力は「交渉による関係協定」に規定されている。
ICCの裁判が適用される条件は、犯罪がローマ規定を批准する締結国の領域内で発生した場合、あるいは容疑者(加害者)が締約国の国民である場合です。米国・中国・ロシア・インド・イスラエルなどの国はICCに加盟していないため、これらの国内で発生した事件については裁判が適用されません。
例えば、ICCはウイグル問題で中国の犯罪人を裁くことはできません。なぜなら、ICCに加盟していない中国の国内で発生した犯罪に対して、ICCには管轄権がないからです。けっしてICCが「中国寄り」なわけではありません。
一方、ロシアのプーチンが訴追されたのは、プーチンの犯罪行為が行われたウクライナがICCの管轄権を受け入れているからであり、同様にイスラエルのネタニヤフが訴追されたのは、ネタニヤフの犯罪行為が行われたパレスチナ自治区がICCの管轄権を受け入れているからです。
ここで重要なのは、ICCの判決には、受刑者が加盟国の領域内に存在していない場合には、「法的拘束力」はあっても、「強制執行力」はないことです。これは、現在の国際社会に全ての国に対して法を執行する実力組織が存在しないことによります。ここが国際司法の限界なのです。
高市「残念」発言のみは米国への配慮
アナウンサー:このICCのトップを務めるのが、日本人の赤根智子所長です。赤根所長が19日、アメリカから制裁対象に指定されました。ICCに対して、かねてからトランプ大統領は、ICCの判事や検察官らを次々と制裁の対象にしてきました。2025年2月の大統領令によれば、▼アメリカへの入国禁止、▼金融機関の取引制限、▼物品やサービスの提供禁止などを科すとのこと。(中略)
一方、赤根所長の表敬を受けた際には、「しっかり支援していく」としていた高市総理は、「大変残念」と述べるにとどめ、トランプ大統領への配慮をにじませた形。
トランプ氏の行為については後に述べるとして、高市総理は赤根所長を支援・保護する責任があります。
まず、日本は、国際社会に対して「法の支配」の重要性を強く説いてきました。安倍晋三総理は、地球儀を俯瞰する外交を展開し、「法の支配」という普遍的価値観を多くの国々と共有しました。「法の支配」を世界に定着させることは、平和国家の日本にとって最大の国際貢献と言えます。
また、日本は「法の支配」の観点からICCを強く支援してきました。実際、日本はICC分担金の最大拠出国でもあります。ICCの所長選挙の際も赤根氏を支援し、所長就任にあたっては「大きな意義がある(上川外相)」として歓迎しました。


