【読書亡羊】テック右派が抱く焦燥感の正体とは  カーティス・ヤーヴィン『ネオ君主論』(PHP)|梶原麻衣子

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


実際のところ、中国と戦争してまで台湾を「共産中国」から守るべきかという選択を迫られたら、多くのアメリカ人は「台湾が共産中国になっても構わない」というはずだ。

中国が本気で台湾に侵攻した時にどうなるか、私はあらゆる面から悲観的にならざるを得ない。

恐ろしいまでに明け透けな本音と言えよう。

テック右派は三島由紀夫を信奉

本書はヤーヴィンへのインタビューによって構成されている。聞き手であり訳者でもある大野氏は、取材中にものすごい知識量と速さで思考し、言葉にしていくヤーヴィンに圧倒されそうになったとあとがきで書いている。

ヤーヴィンは意外なほどに日本の歴史にも言及しているのだが、実に興味深いのは「アメリカのテック右派の間で三島由紀夫が信奉されている」らしいことと、ヤーヴィン本人が『福翁自伝』に多大な影響を受けていると話している点だ。

聞き書きのインタビューということもあり、率直に言えば「この部分をもう少し詳しく話してほしい」と思う部分も少なくない。また、なかなか賛同しがたい部分も多くある。だがそれでも本書は暗黒啓蒙の一端と、彼らが見ている〝世界観〟を垣間見ることができることは確かである。

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書評 読書亡羊 梶原麻衣子

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