アナウンサー:南アルプスを貫くトンネルは、最も深いところで山の表面から1400mを掘り進めます。その際、山が蓄えている地下水がトンネルの中へと流れ出てしまうことによって、地表の川を流れる水の量が減ることが懸念されているんです
JR東海の試算でもトンネルの真上にある山の地下水位が「最大300m」低下し、その山を源流とする大井川の水量が「毎秒最大2トン減少する」とされました。その影響を受けるのが、10の自治体が集まった大井川流域です。
こちらでは、慢性的な水不足を抱えていて、川の水が減れば62万人の飲料水や生活用水に影響が出るほか、日本一を誇る茶畑などの産業を直撃すると県側は懸念していました。
まず、この説明が極めて杜撰なのは、あたかも山の地下水が恒久的に最大300m低下するかのような印象を受けることです。
トンネルの建設によって、その上部の地下水位が低下するのは、掘削された岩盤からトンネル内に浸透水が流れ込む掘削中のみであり、すぐさま岩盤表面には吹付けコンクリートが施工され(一次覆工)、順次その上から不透水膜が巻かれて厚いコンクリートが打設されます(二次覆工)。
これによって浸透水の流れがストップされると、再び水位は元の状態に戻ります。大井川の水量が僅かに減少するのはこの時のみです。大井川全体の流量は毎秒70トン程度なので、その影響は感知が困難なほどです。そもそも、個の工事が原因で下流が渇水するようなリスクは殆どなかったのです。
しかも流量が減少した場合には、大井川上流に位置する東京電力の田代ダムの水が放流されることになります。
この田代ダムの水は、通常は既設の水路トンネル山を通過して、富士川水系の早川に流されるのですが、これを大井川に毎秒2トン程度流せば、問題は完全に解決します。むしろ河川水のユーザーからしてみれば、リニア工事をしない場合よりも渇水リスクを軽減することができるのです。
リニア工事ボーリング調査に伴う静岡県外に流出の水対策 JR東海の田代ダム取水抑制案了承=大井川利水関係協議会 | TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2634304リニア新幹線の工事を巡り大井川利水関係協議会は、ボーリング調査で県外に流出する水を戻す対策についてJR東海が示した田代ダムの取水抑制案の実施を了承しました。4月29日、静岡県や大井川流域の自治体などでつ…
実はこの田代ダムの貯水を利用した問題解決方法については、少なくとも2020年より前の段階で私は指摘していました。

