高市政権は、積極財政を掲げて政府投資(裁量行政)を拡大しようとしていますが、実はこの投資により長期金利が上昇し、生産資源も不足するため、民間投資は圧迫されます。
この現象は【クラウディング・アウト crowding out】と呼ばれ、特にコスト高のインフレ局面で発生しやすいことが知られています。いくら政府投資を無理やり増やしても、民間投資の減少で全体の投資は相殺されてしまうのです。これは企業の成長を妨げる深刻な問題です。
普通に考えてみればわかることですが、利益追求の素人である公務員が裁量する政府の投資と利益追求のプロであるビジネスマンが選択する民間企業の投資では、どちらが優れた投資になるかは火を見るより明らかです。クールジャパンとエルピーダメモリの事例は、政府投資の失敗の典型例です。政府投資は利益を出さないでも財源が担保されるのです。
また労働規制に縛られた労働市場の閉鎖性により、日本企業は成長分野へ人材をシフトすることが困難となっています。日本企業はすべての所属社員に職を与えるためにビジネスモデルの延命措置をはからなければならなかったのです。これでは、企業は成長できませんし、給料も上がりません。
このために政府がすべきことは、裁量行政を止めることと、労働市場を開放することです。財政負担ゼロで今すぐ行うことができるこれらの政策は、英国のサッチャー首相が行った【新自由主義政策】に他なりません。サッチャー首相は、この保守的な政策によって英国病を克服したのです。食料品消費税減税のような左翼のバラマキ政策も中止することが望ましいです。
今の日本に必要なのは、『月刊Hanada』に毎月寄稿されているデーヴィッド・アトキンソンさんの考え方です。
日本人の議論は「のんき」すぎてお話にならない 危機感をもって「本質」を徹底的に追求せよ
https://toyokeizai.net/articles/-/275028日本社会が直面する人口減少や高齢化、それに伴う経済の縮小。多くの対策が議論される中で、問題の本質はどこにあるのでしょうか。伝説のアナリスト・アトキンソン氏は、「のんきな議論」を切り捨て、賃金の継続的引き上げと企業規模の拡大こそが日本再生の鍵だと喝破します。今、本当に必要な生存戦略に迫ります。(このリード文はAIが作成しました)
さて、スタジオトークでは伊藤さゆり氏の俯瞰的な解説が光りました。
伊藤さゆり氏:日本は欧州のように中国製品が大量に流入するという事態には陥っていない。理由の一つは欧州側にあって、ロシアのガスが輸入できなくなってしまったことで競争力が失われているということもあるのですが、ユーロは歴史的な高値ということもあると思います。
このことを考えると、歴史的な円安というのは、かなり痛みが大きいということは確かなんですけれど、一方で欧州で問題となっているような米国の関税引き上げによる痛みであったり、中国製品の輸入のショックを吸収する役割を果たしている部分もあると。
そういう意味では、この円安の時間帯を利用する形で、日本産業が実力をつけて行くことが大事と思います。

