松原耕二氏:「給付だ」「減税だ」という話ばかりだが、どうやって物価を抑えるかが、本当はもっと大事なポイントであることが抜け落ちている。今の物価高の大きな要因はやはり円安だ。円安を抑えるには、本来は物価の番人である日銀の出番だ。
ところが、いま中々日限は景気回復が本物か見極めるのがあると同時に、これまでの大規模金融緩和の副作用として、金利を上げにくい状況になってしまっている。つまり、目の前の利益のために金融をじゃぶじゃぶにして、国債を発行し過ぎたがゆえに、普通の各国の中央銀行がとるべき金融政策をとれない状況になっている。
つまり、物価高を抑えようと思っても自由に向き合えにくい状況になっている。
いまG7の中でインフレ率が最も高いのが日本。一方金利が一番低いのも日本。これが物語っている。目の前のことだけに捉われて財政規律を守らないと、さらに一気に円安が進んでさらに物価高になる。この危険性があることを政治はもっと語るべきだ。
「政治屋は次の選挙を考える。政治家は次の世代を考える」という言葉があるが、そこをきちんと見極めることが、結局は自分の生活を守ることになる。
残念なことに、今回の場合、すべての政党が給付あるいは減税を主張しているため、結局は自分の生活を守ることはできません(笑)。
なお、給付と減税を比較すれば、給付の方が断然マシです。減税と違ってリードタイムは短く、経済システムへの影響は低いといえます。減税前の買え控えもありません。何よりも大きいのは、1回こっきりなので、財政赤字に対する影響も少なくて済みます。

消費税は安定財源です。収入を得る者ではなく対価を得る者が支払うという負担の形は、自由経済における機会の平等の原則に適っていると同時に、結果の平等に貢献しています。所得税や法人税への過剰な課税は社会主義的であり、自由経済を阻害します。
いずれにしても、歳出を増やすポピュリズムを阻止し、2025年プライマリーバランス黒字化の下に、社会保障改革と裁量行政の廃止を加速し、健全な財政運営を行うのが国民の利益に適うものと考えます。