【今週のサンモニ】いつまでも進歩しない国家防衛思考|藤原かずえ

【今週のサンモニ】いつまでも進歩しない国家防衛思考|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


アナウンサー:トランプ大統領がNATO加盟国に対し、GDP比5%の防衛費増額を要求。しかし、これは国の財政に影響しかねない莫大なものです。世界は防衛費増額に動き出すのか。そもそも増額は可能なのでしょうか。

今回の会議までNATO諸国の防衛費目標値はGDP比2%でした。これは2014年にロシアのクリミア併合を受け、2024年までに国防費を2%まで引き上げるという合意であり、ロシアのウクライナ侵攻後の2023年には「最低2%」としました。

この目標に対して、加盟国の約2/3は国防費を倍増させて目標を達成しました。特に、ロシアと国境を接しているポーランド・バルト三国の国防費はGDP比3%を超えています。しかしながら、残りの約1/3の国々は目標を達成していません。

アナウンサー:この5%という目標は、加盟国の多くにとって財政的に実現が困難です。NATOはロシアに対抗する軍事同盟ですが、各国の足並みは揃っていません。ロシアに近いポーランドなどは従来の目標である2%をはるかに超えていますが、地理的に遠いスペインやイタリアは2%すら下回り、大幅な増額には消極的です。(中略)
NATO側もトランプ氏の要求を丸呑みしたわけではなく、粘り強い交渉を続けました。GDP比5%のうち3.5%分を、戦車やミサイルといった純粋な「防衛費」とし、1.5%分は「防衛関連費」とする枠組みを提案し、合意しました。

結局、5%目標のうち、防衛費は3.5%、防衛関連費は1.5%という内訳で手を打ったのです。

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