谷口真由美氏は次のようにコメントしています。
谷口真由美氏:国際法にみなさんは万能という幻想を抱いておられると思う。万能じゃないからこそ人類が積み上げていかなければいけないことがたくさんある。対話であったりとか、議論であったりとか。トランプ氏が力による平和という矛盾は世の中に存在しない。
力とは”force”、つまり武力なので、武力による平和はなくて、やはり力は支配だ。なので、法による支配というのが何かというものを、なぜ人類がそういうことを積み上げてきたことを私たちは考えなければいけない。
国際法が万能でないというのはその通りです。なぜ国際法が万能ではないかと言えば、国際法には遵守を求める【法的拘束力 legally binding】はあるものの、遵守を強制する【法的強制力 legal coercion】がないからです。
国家は、【警察 police】を法的強制力として、国内法に違反する個人の自由を奪います。しかしながら、国際社会には、国際法に違反する国家の自由を奪うのに必要な法的強制力をもつ組織がありません。
この強制力の欠如が、国際社会における【法の支配 rule of law】を不可能にしている必然的な原因です。換言すれば、法の支配には法的強制力が必要不可欠なのです。
『サンデーモーニング』は、【強制力 coercion】と【力ずくの暴力 brute force】を混同しています。無法な力ずくの暴力による支配は不当ですが、法的強制力による支配は妥当です。
わかりやすく言えば、法に従わない暴力団を用いた支配は不当ですが、法に従う警察を用いた支配は妥当です。このことを理解しない限り、『サンデーモーニング』はいつになっても進歩しないことでしょう。

【今週のサンモニ】勘違いで「核抑止」を徹底否定|藤原かずえ | Hanadaプラス
https://hanada-plus.jp/articles/1355『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。さて今週は……。

個人ブログ「マスメディア報道のメソドロジー」にて、論理学や心理学の定義に基づいた、メディアの報道・政治家の議論における論理的誤謬などの問題点を指摘。「ひるおび」「報道ステーション」「NEWS23」「サンデーモーニング」などの具体的な放送内容や議員の答弁、記者の発言などを例示しての論理的な分析が話題を呼んでいる。記事の一部を言論プラットフォーム「アゴラ」にも転載中。