この報道における「組織的な裏金作りが発覚した安倍派からも11人が同席しました」という言葉からは『サンデーモーニング』の強い悪意を感じます。
『サンデーモーニング』は、旧安倍派という過去の属性を根拠に議員らの存在を問題視しています。これは、【属性差別 attribute discrimination】による卑劣な【魔女狩り witch-hunting】です。人権侵害もいいところです。
なお、政治資金不記載問題については、法が支配する検察によって既に捜査が行われました。強制力のない自民党が調査することにはほとんど意味がありません。
偶像化したい人物には軽快なBGMを
さて小林鷹之氏の話題が終わると、ネガティヴなBGMが突然やみ、軽快な8ビートのBGMにのって登場したのが石破茂議員です。
アナウンサー:そんな中、昨日正式に出馬表明したこの人は…
自民党・石破茂議員:必要なのは「刷新感」ではない。本当に「刷新」されたかどうか。
アナウンサー:安倍氏と戦った総裁選で敗れて以降、党内では存在感が薄れる一方だった石破元幹事長。久々の表舞台への登場で力を込めたのは…
自民党・石破茂議員:政治とカネについては、金のための政治などもってのほか。
『サンデーモーニング』の制作VTRでは、悪魔化したい人物が登場した時と、偶像化したい人物が登場した時では、使われるBGMが異なります。極めてわかりやすいあからさまな印象操作です。まさに視聴者を完全にバカにした大衆操作番組といえます。
ここで頻繁に出てくる「刷新感」という言葉も、実際にはマスメディアが頻繁に話題にして独り歩きさせているものです。ネット検索してみればわかりますが、総裁選をめぐり「刷新感」という言葉が出たのは、6月に行なわれた『文藝春秋』による菅義偉前総理へのインタビューです。