核燃料サイクルでウランとプルトニウムを抽出する六ヶ所再生工場で再処理を行なえば、その時間を8千年に短縮させることが可能ですが、いずれにしてもこれらの時間は人間のライフタイムと比べればはるかに長いので、再処理の目途をもって中間貯蔵を問題視する元村氏のコメントは非論理的です。
急いで地層処分する必要なし
さて、高レベル放射性廃棄物の最終処分の方法としては、地層処分・宇宙処分・海洋処分・氷床処分・長期管理といったオプションがありますが、このうち地層処分が有利であると考えられてきました。
しかしながら、これはあくまで現在の科学レベルでの結論です。
例えば、将来にロケット発射技術の信頼性が向上すれば宇宙処分も困難ではなくなりますし、より信頼性と経済性が高い合理的な長期管理システムが開発される可能性も考えられます。
場所を取らずに安全に地上で管理できる乾式貯蔵によって中間貯蔵すれば、不可逆的な地層処分に頼らなくても最終処分を行える可能性が十分に残っているのです。