この方法は、乾式キャスクと呼ばれる金属製の頑強な容器に高レベル放射性廃棄物を収納して空冷するものであり、人が近づいても問題はなく、巨大地震が発生しても安全に管理できます。安全に輸送することができるので、いつでも貯蔵場所を変えることも可能です。
ただし、そもそも安全なので貯蔵場所を変える必要もありません。
10万年を8千年に短縮できるが……
<スタジオトーク>
膳場貴子氏:元村さんに聞きたいのですが、これ中間貯蔵という名目で使用済み核燃料を受け入れても再処理がされなければ、結果的には永久貯蔵になりかねないと思ってしまうんですけれども、どういう評価をされますか。
元村有希子氏:まさにそこを地元の人たちは心配していて、今回県知事がわざわざ経済産業大臣に確認を取って「中間ですよ」といった上での安全協定にこぎ着けたということだ。今回の運営主体は東京電力と、この間、敦賀二号機の下に活断層が見つかった日本原電の共同出資の会社が運営するものであって、ここの向上に受け入れられるのは、東電と日本原電のものだけ、他に関電や中電や東北電力やいろんな所の原発の敷地内にはまだ使用済み燃料がたまっている。
ここで2つのことが言いたい。
まず、再処理の目途が立っていない段階で中間貯蔵するという嘘くさい話を私たちは見逃していいのかということ。もう一つは青森県に象徴されるように、核燃料サイクル政策という国策のツケを常に人口の少ない過疎地に押し付けているということだ。青森もそうだし、福井もそうだ。
そうした構造に目を瞑って、そして東京の電力を柏崎で発電する。柏崎で出たものを青森に。そしてその先がわからない。最終処分もまだ目途が立っていない。この状況を先延ばし先延ばしして目先のことだけで解決したことにしていいのかという素朴な疑問がある。
原子力発電によって発生した高レベル放射性廃棄物は、その放射性レベルが自然界に存在するウランの放射性レベルまで低下するには約10万年かかります。