加藤登紀子氏は左翼を卒業した?
膳場貴子氏:男女平等についてのランキングが発表されました。146カ国中、日本は今年118位。僅かに順位を上げたものの、G7では依然最下位です。男女平等、日本ではなかなか進みませんけど、大先輩の加藤さん、どうご覧になっていますか。
加藤登紀子氏:ちょっと極端な話をするかもしれないが、日本の社会はまだ江戸時代が残っている。田舎に行くと凄くよくわかる。それは昔の五人組制度みたいなものとか、昔のまんまの「しきたり」を守ろうとする人達がいて、コミュニティが守られている。お祭りとか、全部そういうシステムだ。
田舎に行くと、男女の棲み分けがハッキリとある。それで集会でも開かれると、上座にばっと男がいて、台所側に女がいて、どっちが面白いかと言えば、女の方が盛り上がったりしている。だから、棲み分けがすべて居心地が悪いものではないが、そういうベースがある上に新しい世界が始まっている。
左翼の大御所であるはずの加藤氏は、【リベラリズム liberalism】を盲信し、真逆の【共同体主義 communitarianism】を否定するかと思いきや、意外にも特定の規範をもつ日本社会の共同体主義をしっかりと肯定しました。
ちなみに「上座にばっと男がいて、台所側に女がいて」というのは、コメンテーター席に男性コメンテーターが広々と座り、その向かい側に女子アナがすし詰め状態で座るという何年も続いた『サンデーモーニング』の男社会と非常によく似ていると思います(笑)。
加藤氏は続けます。