加藤登紀子氏:何があるかと言うと2つ大きな問題がある。半世紀の間に、まず女性が、田舎が嫌で出て行っちゃう。嫁のきてがない。田舎はどんどん疲弊する。だから地域が崩壊して行く問題が今起こっている。もう一つは、男性が、凄く男女の棲み分けという精神性がある社会なので、ちょっとチクっと言わせていただくと、生活実態に対する経験が少ない。
つまり、感覚的に実際の生活をマネジメントできる能力がない人達ばかりがいる。だから男の人達がなんかつまらない議論ばかりしている。現実を解決してくれない。男性が圧倒的に強い社会の弊害が今日本でいっぱい出て来て、だけどそれを男女棲み分けしてきてずっと祭りを守ってきましたと。昔と同じようにやりましょうよって言ってきた地域社会を、ただばっさり切って行ってもいいものでもないと思う。日本という社会は非常に多重的な社会だというのは魅力なんだ。
加藤氏は、共同体主義をとる日本の田舎の問題として、女性の流出と男性の生活への経験不足を挙げた上で、それだからといってこのような社会を切ってはいけないと主張しました。
実はこの加藤氏の考え方こそが【多様性 diversity】に他なりません。いつも『サンデーモーニング』のリベラル気取りコメンテーターが主張しているのは「多様性」という名の下に自分の価値観を強制する【画一性 uniformity】に過ぎません。
加藤氏はさらに続けます。
加藤登紀子氏:だから是非、それをバッサリ切るのではなく、その中で暖かく、何か新しいものが、風通しの良い社会ができるためには、何が必要か。男性が変わること。まず男性に家事をして欲しい。ちゃんと家事をして女性と一緒に現実社会というものを営むということ。一生懸命やってほしい。政治家でもみんな。もう国あり、家無しというのはダメなんで。そこを変えないと。
確かにパスポートの問題は、実体験で難しい。仕事としてやっている名前とパスポートが違うというのは弊害がある。だけど制度を変えれば済む話ではない。やっぱり是非男性が風通しのいい、女性と一緒に現実が担える人になって欲しい。
結論を言えば、この一連のコメントのみから判断する限りにおいては、加藤氏は左翼ではありません。
なお、もし加藤氏のコメントを自民党の政治家が発言すれば、『サンデーモーニング』のコメンテーターは「性役割を肯定する古い考え方」と烈火のごとく叩きまくる可能性が高いと言えます。「田舎に行くと江戸時代が残っているのがよくわかる」「男は生活をマネジメントする能力がない」「男はつまらない議論ばかりしている」「男には家事をして欲しい」といった発言は、森喜朗氏の「女性が出席する会議は長い」と同じで、性別で人を括る失言のはずです。
『サンデーモーニング』は蓮舫氏に勝るとも劣らないダブスタ番組なのです(笑)