大前提として、東京都知事選は都政に関わる政策を競う場であり、自民党の政治資金不記載事件とは無関係です。「自民党が公認する候補には懲罰的に投票しない」というのならまだしも、「自民党が支援する候補には懲罰的に投票をしない」という意志決定は非論理的です。
候補者にとって、「公認」は自らの意思に基づき能動的に受け入れるものですが、「支援」は自らの意思に関わりなく受動的に与えられるものであるからです。
小池氏は自民党に対して能動的に支援を要請していません。受動的な支援の表明に「心強い」と感想を述べただけです。日本共産党に対して能動的に支援を要請した蓮舫氏とは異なります。
いずれにしても、有権者が自民党支援の有無を小池氏への投票行動と関連付けることを助長するような『サンデーモーニング』の報道は公正ではありません。
なお、戦略型フレームで都知事選をとらえた場合に、むしろマスメディアが検証する必要があるのは、公職選挙法違反が指摘されている蓮舫氏の事前運動の可否です。自民党が小池氏を支援しようがしまいが、法律上も道義上も全く問題ありませんが、告示前に白昼堂々と特定の選挙の特定の候補に投票を呼び掛けた演説やビラの配布は、法律上も道義上も問題がある行為です。
加藤登紀子氏が初出演
さて、この日の『サンデーモーニング』では、全共闘時代からの正真正銘の左翼であり、いまや日本の左翼界のラスボス的存在ともいえる加藤登紀子氏が番組初出演しました。
ただでさえ、左翼一辺倒の偏ったキャスティングが問題視されているにもかかわらず、さらに凄い存在を連れて来ちゃうところが、『サンデーモーニング』の多様性のカケラもないところです(笑)
膳場貴子氏:加藤登紀子さんに初めてお越しいただきました。東京都知事選など政治の動き、どのようにご覧になっていますか。
加藤登紀子氏:裏金問題ってとってもわかりにくくて、都知事選でそれが絡んでくるというのが(笑)、そこに自民党が起死回生を狙っているというのは、ちょっと捻じれてるなって感じがして、まぁ折角ハッキリとモノを言う女子二人が登場しているので、ぜひ都政についてきちっと議論して、新しい課題をどんどん「見える化」して欲しいと思いますし、魅力のある選挙にして欲しいと。投票率が上がるくらいの「素敵な」っていうとおかしいか(大笑)、でも素敵な都知事選であってくれるように願ってますけどね(笑)
このテーマに対して、加藤登紀子氏から飛び出したコメントは、残念なくらい当たり障りのないものでした(笑)。
ところが、次のテーマに対しては、当たり障りのある興味深いコメントを長々と話したのです。