優先順位のつけ方はおかしくない
さて、ウクライナがロシアに侵攻された大きな原因は、ウクライナがNATOという集団的自衛権の枠組みに参加できていなかったことによります。
一方で、ロシアも中国もNATO加盟国とは戦うことができません。自国の行使可能な暴力がNATOの行使可能な強制力と比較して明らかに脆弱であるからです。
そんな中で日本がNATOと連携することは双方のセキュリティとセーフティをより強固にすることで、中国・ロシアによる侵略のリスクを大きく低減させるものです。
松尾貴史氏:日本みたいな国がどちら側に立つかがどんどん明確にされてしまうことが、日本の安全を脅かすことに繋がると思うと、ただ祈るような気持ちで見ているしかない。
残念ながら日本単独の強制力は、中国・ロシアの力ずくの暴力と比較して小さいため、日本が立場を示さないことは、中国・ロシアに日本を攻撃する余地を与えることになります。
そもそも、平和の敵であるロシアへの対峙を否定することは、ロシアの侵略行為を肯定することに他なりません。祈れば平和が得られると考えるのは理論的にも経験的にも完全な倒錯です。抑止理論で考えれば、彼らのような絶滅危惧種とも言えるお花畑のパシフィストこそ、日本の平和を棄損する存在です。