政府内には危険分子が数多く潜り込んでいる
月刊『Hanada』2023年3月号、4月号において、日本政府・与党内に日本共産党、社民党などの息のかかった危険分子(赤いネットワーク)が審議会委員等として入り込んでいることを説明した。
具体的に、彼らがどのような動きをしているのか。
注目すべき人物のひとりが、お茶の水女子大学名誉教授・戒能民江である。
戒能は、福島みずほ議員のサポーターとして名を連ね、ともに活動する同志である。戒能の思想は、理事長でもあった夫・戒能通厚早稲田大学教授とともに理事をつとめる「民主主義科学者協会法律部会」の理事会声明を見ると良くわかる。
例えば、2017年の声明を見ると、「『テロ等準備罪』=『共謀罪』法案に断固反対」、「日本学術会議の『軍学共同(軍事研究)』反対」、「沖縄県民の民意に反し、違法に進められている辺野古新基地建設に強く抗議」、「安保関連法案の採決に断固抗議」などのメッセージが並んでいる。
その戒能が政府委員として任命されているものに、厚生労働省子ども家庭局主催「困難な問題を抱える女性への支援に係る基本方針等に関する有識者会議」、法務省民事局が事務局を務める法制審議会家族法制部会、内閣府男女共同参画局所管の女性に対する暴力に関する専門調査会「配偶者暴力防止法見直し検討WG」などがある。
戒能以外にも政府内には危険分子が数多く潜り込んでいる。例えば、内閣官房の「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」には、拙著『実子誘拐ビジネスの闇』で取り上げている赤石千衣子(NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事長)や駒崎弘樹(NPO法人「フローレンス」会長)など、赤いネットワークの構成員が勢ぞろいしている。
赤いネットワーク構成員が、政府の審議会等で提言する政策の意図はどこにあるのか。
それを知る鍵は北朝鮮にある(赤いネットワークと北朝鮮との関係については、【赤いネットワークの闇】仁藤夢乃の師匠と〝西早稲田〟に詳細に記述している。是非、それを読んで頂きたい)。彼らの隠れた意図は、『朝鮮民主主義人民共和国の家族法』を読めばわかる。
「共和国(=北朝鮮)がその初期以来一貫して男女平等権の実現に留意してきたのは、生産手段の私的所有制を排除するためにはまず男尊女卑思想の払拭が必要だと考えたからである」
「共和国が常に子供たちの保護を重要視したのは、親の恣意的支配から子供たちを解放させ、後世代の健全な育成を希求したからである」
「私的所有に基礎をおく家族においては、結婚それ自体がすでに物質的打算によって結ばれ、父母と子女間の関係においても財産相続が第一義的意義をもつ。社会主義建設の成果がいっそう拡大するにともない、家族の経済的・財産的側面は大きく後退する」
「わが国(=北朝鮮)の家族は、人民民主主義社会の細胞で、世代の継承、家族成員の、特に女子の社会主義的愛国主義教育と、その成員相互間の扶助機能を遂行する。共和国憲法は『婚姻と家族は、国家の保護のもとにある』と宣布している。共和国家族法は、新しい家族のおかれている基底的原理を反映し、結婚―家族関係の一切の領域を規制する」
共同親権制に反対する本当の理由
この北朝鮮の家族法こそ、赤いネットワークのバイブルだと言えるだろう。例えば、彼らが離婚後共同親権制に反対する本当の理由は、「離婚後も男性による女性と子供の支配が継続することを断固阻止する」ことだからだ。
ただ、そう主張しても、政府与党に相手にされないことは彼らもわかっている。そこで、レトリックとして「DV被害者を救え」と言っているのだ。
2021年、日本共産党ジェンダー平等委員会は、次のような見解を述べている。
「『親は子を思い通りにする権利がある』などの認識が広く残るもとで『離婚後共同親権』が導入されれば、DV加害者は、『共同親権』を理由に離婚後も元配偶者や子への支配を継続しやすくなり、子どもの権利への重大な侵害を引き起こす危険性があります」
今国会に、精神的DVをDVの定義に含むDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)改正法案が提出された。この改正により、ついに、「女性と子どもは男性からの支配(=精神的DV)から解放される」予定である。
夫婦は、常にICレコーダーを懐に忍ばせて会話をし、有利な発言を配偶者から録れたら裁判所に精神的DVで訴えることが可能になる。そんな、北朝鮮のような恐ろしい密告社会へ我が国が変容すれば、日本の家族制度は解体に向かうだろう。
「不同意性交罪」(被害者が「同意しない意思」を表明することなどが難しい場合も加害者を処罰できる)を導入する刑法改正案も今国会に提出される予定であるが、これも同趣旨である。前者には、戒能らが、後者には、結婚制度を否定するマルクス主義フェミニストの上野千鶴子東京大学名誉教授らが関与している。
法務省法制審家族法制部会では、委員である戒能や赤石らの主張が中間試案に反映されている。離婚後、親権を奪われ、子どもと一切会うことができない親にも子を扶養する義務があると定義づけ、養育費の支払いを強要する制度を導入する案が盛り込まれた。
この案は、1949年に制定された「北朝鮮の男女平等権に対する法令施行細則」第20条(「夫婦が離婚した場合、その子女を養育する一方は他方に対して、養育費を請求できる」)そのものである。また、中間試案には、養育費不払いに対する懲罰的な措置が数多く盛り込まれたが、これは、離婚後、養育費を支払わない親に刑事罰を科す北朝鮮の家族法と同工異曲である。