旧朝鮮半島出身労働者問題 「賠償肩代わり」という韓国の虚言|和田政宗

旧朝鮮半島出身労働者問題 「賠償肩代わり」という韓国の虚言|和田政宗

韓国は歴史的事実を飛躍させたり、ないことを主張するので、我々は正しい歴史を知ったうえで歴史的事実に基づき韓国に対処しなければ危険である。


日韓議員連盟の会長に就任した菅前総理

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このように、慰謝料を含む全ての請求権は、日韓請求権協定で解決されており、「請求権に含まれるか含まれないか」という主張や判断自体があり得ないことは明白なのである。

なお、国民徴用令に基づく朝鮮半島出身労働者には給料が支払われており、徴用された日本人と同じ給与水準だった。朝鮮半島で働くよりもかなり高い賃金であったとの記録や旧朝鮮半島出身労働者の証言もいくつもある。

これら一連の問題から分かるように、韓国は歴史的事実を飛躍させたり、ないことを主張するので、我々はこのように正しい歴史を知ったうえで歴史的事実に基づき韓国に対処しなければ危険である。

そうした中、今月、日韓議員連盟の会長に菅義偉前総理が就任することとなった。菅前総理は、官房長官時代から韓国に厳しく対処してきており、こうした方が韓国のカウンターパートになることは極めて重要である。親韓議員では譲る部分が出てくる懸念があるが、菅前総理にはその懸念は全くない。

そして、韓国の尹錫悦大統領が今月16日から来日し、岸田総理と日韓首脳会談を行うことが昨日発表された。しかし、旧朝鮮半島出身労働者問題が一定の解決をみたと喜ぶのはおかしい。問題のないことが韓国最高裁判決により問題とされ、韓国側が国内においてそれを処理しただけである。

日韓の間には、韓国に奪われた竹島問題がある。この問題の解決なくして日韓が関係を深めていくということは私はあり得ないと考える。日本政府として、このことを忘れて交渉に臨んでは絶対にならない。しっかりと竹島問題の解決を韓国側に要求すべきであり、今月の日韓首脳会談は極めて重要である。

月刊『Hanada』2023年4月号

日本国憲法「改定」

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