防衛費増額、増税しなくても財源は確保できる!|和田政宗

防衛費増額、増税しなくても財源は確保できる!|和田政宗

12月7日、「防衛費増額の財源 一部は増税で 与党幹部が合意」(TBS)との速報が流れたが、安倍元総理が提唱していた「防衛国債」の発行の話はどこに行ってしまったのか。そもそも防衛費の増額がなぜ必要なのか。自民党の和田政宗議員が緊急提言!


防衛費の増額は当然のことだ

第4回(11月21日)国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議

まず、南西諸島の防衛は、能力と装備の充実とともに住民の理解促進が重要だが、住民交流や理解促進の役割を担う沖縄地方協力本部の現在の本部長は、その世代の防大同期のなかでもエースと目される陸将補が就任している。極めて能力が高い方で、沖縄、南西諸島と日本の防衛の重要性を説いて理解促進を図っている。

これに加え、「南西防衛集団」が創設される。これまでの旅団トップは陸将補であったが、防衛集団となればトップは陸将となる可能性が強い。すなわち諸外国の階級であれば中将以上となり、在沖縄の米国海兵隊トップ(海兵隊中将)と同等以上の地位で連携が取れることとなる。これは極めて大きい。

さらに、政府は今月中に改定予定の国家安全保障戦略など「安保3文書」で、空からの脅威に統合的に対応する「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の構築を明記する方針だ。ミサイル迎撃を柱とする現在の「総合ミサイル防空」から、敵地攻撃能力を組み込んだ「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」を導入し、IAMDを推進する米軍との連携を深め、抑止力を高める。

ようやく国土と国民を守る抑止力の整備が行われていく。これまでの我が国の防衛は、北朝鮮のミサイルが発射された時の対応のように、先の大戦中に空襲警報が鳴り国民が逃げ惑った状況と何ら変わらないものであった。

ミサイルを撃たれ、それが我が国を狙うものであったり、我が国上空を超えさせようとしたものの失敗し落下する時に、迎撃を外せば国民の命が失われる。あまりに受け手すぎる防衛であった。だからこそ抑止力を高め、相手に撃たせないことが重要である。「IMAD」は、ミサイル攻撃等を未然に防ぐため、敵地などへの攻撃作戦を含むものである。

真に我が国を守るための防衛力、抑止力を持つために、防衛費の増額は当然のことである。増税によらず、安定財源を確保する。防衛国債の導入をはじめとし、党内で徹底的な異論を行い実現していきたい。

月刊『Hanada』2023年1月号

「嘘の新聞」と「煽るテレビ」 Kindle版

関連する投稿


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。


硫黄島をはじめ多くのご英霊の力で、今の日本がある|和田政宗

硫黄島をはじめ多くのご英霊の力で、今の日本がある|和田政宗

先の大戦有数の大激戦である硫黄島の戦いで、日米両軍合わせて2万9千人が亡くなった。今回の訪問で、硫黄島で戦った方々がどのような状況で、どのような思いで戦ったのかを、まざまざと知ることができた。


「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

「もしトラ」ではなく「トランプ大統領復帰」に備えよ!|和田政宗

トランプ前大統領の〝盟友〟、安倍晋三元総理大臣はもういない。「トランプ大統領復帰」で日本は、東アジアは、ウクライナは、中東は、どうなるのか?


最新の投稿


【今週のサンモニ】「サンモニ」の”恐喝”方法|藤原かずえ

【今週のサンモニ】「サンモニ」の”恐喝”方法|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

「子供1人生んだら1000万円」は、とても安い投資だ!|和田政宗

チマチマした少子化対策では、我が国の人口は将来半減する。1子あたり1000万円給付といった思い切った多子化政策を実現し、最低でも8000万人台の人口規模を維持せよ!(サムネイルは首相官邸HPより)


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

昨今の政治状況が多くの日本人の心に危機感を抱かせ、「保守」の気持ちが高まっている。いま行動しなければ日本は失われた50年になってしまう。日本を豊かに、強くするため――縁の下の力持ち、日本保守党事務局次長、広沢一郎氏がはじめて綴った秘話。