悪夢の「立憲共産党」|坂井広志

悪夢の「立憲共産党」|坂井広志

「政権の準備は整っています。10年間準備をしてきた。準備と覚悟はできています」と枝野幸男代表は豪語するが、実態はどうなのか。国家観のかけらも見当たらず、政治理念も感じられず、そこにあるのは市民団体臭と左翼臭だけ――。民主党政権は悪夢だったが、共産党と組む「立憲共産党」はもっと悪夢だ。


消費税で勝ち誇る山本太郎

消費税減税については、正確にはこういう文言で記載されている。
「所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得者や中間層への再分配を強化する」

消費税減税は共産やれいわがかねて主張している政策で、これに対し枝野氏は長く難色を示してきた経緯がある。消費税率10%への引き上げは安倍政権下で実施されたが、決めたのは何を隠そう民主党政権の野田内閣だ。自民党などを巻き込んで決定した政策で、数少ない実績のひとつといえる。

少子高齢化の進展を背景に社会保障費が膨張し続けるなか、安易に減税を打ち出すわけにいかないという思いがあるのだろうが、同時に、民主党政権時に官房長官のほか経済産業相など中枢のポジションにいた枝野氏にとって、減税は過去の実績を否定することになりかねないという気持ちもありそうだ。

さらにいえば、そりの合わないれいわの山本代表が主導した政策の土俵に乗りたくないという思いもあろう。

著書『枝野ビジョン』では、「『緊急時の時限的な対応』という条件を前提にした消費減税を、全て否定するものではない」と書いており、この書き方が限界かと筆者は思っていたが、ベタ折れと言っていいだろう。

締結式で山本氏は勝ち誇ったように、笑いも交えながらこんな挨拶をしている。

「消費税5%が各党で進まないなら野党共闘はしないと言い続けてきた。私たちの75倍以上の規模を持つ立憲民主党。多様な意見があるなかで取りまとめていくのは大変なことだったと思うが、それもしっかりと形にしたうえで、私たちがこの場で(合意を)受けざるを得ない、うへへ(笑)……、と言ってはなんですが、みんなとまとまっていけるスタートラインを切ることができた」

枝野氏はニコリともせず、仏頂面。苦々しく聞いていたに違いない。

野党第一党は立民ではあるが、共産が主役であるかのように映った今回の市民連合との政策合意。立民は「立憲共産党」への道を着実に歩もうとしている。

(初出:月刊『Hanada』2021年11月号)

月刊『Hanada』2021年11月号

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