文在寅政権下の韓国は、自由民主主義国連合に入る資格があるのか。
来年の先進7カ国(G7)議長国である英国のジョンソン首相は、インド、オーストラリア、韓国をG7サミットにゲストとして招くと発表した。英政府は声明で「共有する利益を推進し共通の課題に取り組むため、志を同じくする民主主義国家と協力していく」と説明した。英政府は中国に対抗し、G7にこの3カ国を加えた民主主義10カ国で協力する「D10」構想を持っている。
米国でも民主主義国家の団結を求めている。バイデン次期大統領は就任1年目に民主主義サミットを開くと表明している。どの国を招くのかを明らかにしていないが、中国やロシアに対抗するための会議であることは明らかだ。
民主主義に反する対北ビラ禁止法
韓国は伝統的な米国の同盟国だ。朝鮮戦争では韓国の自由民主主義を守るために約4万人の米兵が犠牲になった。現在韓国は1人当たり国内総生産(GDP)が3万ドルを超える経済先進国だから、その面では自由民主主義を守る先進国のグループに入る資格があると言えるだろう。
ところが、韓国国会が12月14日、北朝鮮へ風船でビラを飛ばすことを禁ずる法律(改正南北関係発展法)を成立させたことで、文在寅政権下の韓国は自由民主国家と言えるのかという疑問の声が上がっている。米下院の超党派議員で構成する「トム・ラントス人権委員会」は来年1月にこの問題で公聴会を開く予定と報じられた。国連北朝鮮人権調査官も批判的立場を表明した。
12月16日、韓国の康京和外相は「表現の自由は極めて重要なものだが、絶対的な権利ではない」「対北朝鮮ビラ散布が国民の命と安全を脅かす場合に限って制限される」と語った。ビラの散布に対して北朝鮮が軍事攻撃を加える恐れがあるという弁明だ。韓国統一省は「民意の代表機関である国会で、憲法と法律が定めた手続きにより民主的議論と審議を通じて法律を改正した」として、同法が民主的だと開き直った。