なべやかん遺産|「手」

なべやかん遺産|「手」

芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「手」!


大切な「手」のインパクト

外見というのは大切である。外見の良し悪しで印象が変わってしまう。綺麗な顔に生まれただけで、人生においてかなりのアドバンテージを貰ったように思える。

「美人、可愛い子は良いな、食費なんてかからないだろう」

そんな独り言がついつい愚痴のように出てしまう。男子達のお誘いがあるだろうから、よっぽどのケチかセコイ奴でなければゴチになれる。

しかも、そんな機会が普通以上に多いはずだ。と、勝手にそんな想像をしてしまう自分。

とはいえ、人それぞれ見た目に違いがあるように好みも違う。「相手のどこを見てしまいますか?」という問いに様々な答えがある。人によっては「顔は気にならない、それよりも体」という人もいる。

では、体のどこを見ているのか?

胸とかお尻と答える人も多いが、昔、番組収録で女性出演者が「相手のどこを見てセクシーと感じるか?」という質問に「手」と答えた。この答えが意外と頭に残っていて、その後、人の手を意識して見るようになった。

芸能の世界には、パーツモデルという分野もある。その中でもハンドモデル、手タレというのがわりと有名だ。

ファッションやジュエリーに使われる美しく綺麗な手もあれば生活用品に使われる生活感のある手も重宝され、美しく綺麗な手よりもむしろ生活感のある手の方が需要が多いと聞いている。

顔と同様、手は常に出ている部分だ。サービス業によっては、手や腕に刺青があると採用されないという所もあるようだから、やはり人目に付くパーツなのだろう。だからこそ人々に様々な印象を与えるのである。

オードリー・ヘプバーンが年を取り、それでも綺麗だなと感じた人は多かったと思う。自分もその一人で、何歳になっても綺麗だと感じていたが、手を見た時に年齢を感じてしまった。アンチエイジングで顔の手入れをする人は沢山いる。

中には手入れどころかテコ入れしすぎて純正パーツが無くなるほど顔を作り上げてしまい違和感の塊の顔面の人もいる。でも、顔だけいじくりまわしても手もアンチエイジングしないと年齢がバレてしまうし、皺や皮膚のたるみで年寄り感が出まくってしまう。

ヒーローやホラーなどのキャラクターも手が良いとかっこ良さが増す。アイアンマンも手に特徴があり商品価値もあるし、半魚人ギルマンの水かきのある手も見事なデザインと造形だ。ホラー映画などでも、手だけで怖がらせるシーンがあったりして、手のインパクトは大切だ。
 

鬼の手は縁起物

今回は我がコレクションルームにある様々な手をご紹介しよう。
 まずはキツネの手。いきなりそれかよって思うかもしれないが、これも立派な特殊造形品だ。映画用に作られたものだが、本物のキツネの毛を使っているので触り心地もよい。可愛くてついつい握りたくなる手をしている。 

キツネの手。触り心地が良く、ずっと握っていたくなる。

続いて、鬼の手。鬼といえば『鬼滅の刃』が爆発的大人気だが、鬼は特殊造形で作った方がアニメより迫力がある。切り落とされた腕なので、骨も見えていて不気味さも強い。

 鬼を家に置くのは縁起が良いようだ。邪気を払ってくれると言われている。鬼の置物が縁起物として売られているくらいだしね。

 なので我が家ではこの鬼の手は縁起物扱いにしている。鬼が腕を斬り落されてしまうような家には、邪悪な者は恐ろしくて近寄ってこないだろう。良い魔除けだ(笑)。
 

鬼の手。恐ろしい爪と邪悪な手相をしている。

切断面には骨も見える実にリアルだ。

映画『アダムス・ファミリー』(1991)に同乗したハンドを演じたプロマジシャンのクリストファー・ハート氏の手がある。

 映画には手だけしか出てこないので、この手だけで立派なキャラクターだ。本人の手を型取りしプラキャストで抜かれたものなので、細かな皺もちゃんとわかるし、本人の直筆サインも入っている。これこそまさに“手”のコレクション。
 

『アダムス・ファミリー』のハンドを演じたマジシャンのクリストファー・ハート氏の手。

映画『デスカッパ』(2010)に登場した水陸両用魚人兵器・海彦(半魚人)の手。とても丁寧に造形されているので手だけ飾っていても見栄えがする。

前腕部の内側にファスナーが付いていて、それを開いて手を入れる。ファスナーを閉じると密着度が上がり、手や腕を動かすと実在する生き物のような動きを演出できる。

その他にはカッパの手や妖怪の手がいくつかあるので、それらを見比べるのも中々面白い。映像の中でも現実世界でも、顔は人間でも手を出された時にこんな不気味な手だったらどうだろう?
 

水陸両用魚人兵器・海彦の手はハリウッド映画の造形物同等のクオリティだ。

内側に秘密のファスナーがある。

カッパの手。不気味さより可愛らしさがある。

バケモノ達の手。あなたにとって、どの手が一番不気味でしょうか?

手とイマジネーション

この中でどの手が出てきたら一番不気味か?
 こんな事を考えるのも楽しい。

「不気味な手が現れる」

映像作品を作る時、シナリオにこんな事が書かれていたとしよう。シナリオを呼んだクリエイターは活字から想像力を膨らまし、どんな手を造形するか考える。

そして、手から顔や体も想像してしまう。完成した手を見て、監督は演出を考え、カメラマンさんは撮り方に拘り、照明さんは効果的なライティングを考える。

そういったイマジネーションこそ物語や映像を作るうえで重要になって来る。一つの作品を作るために多くの人達のイマジネーションが必要となり、それらが合致した時に最高傑作が作れる。
 天才が集まると、本当に素晴らしい作品が生まれるのだ。

たかが手かもしれないが、これらの手を取りジッと見ているとだけでこちらのイマジネーションも豊かになる。

そして、これらをどのようにコレクションルームに飾ろうかという考えも湧いてくる。来年のハロウィン時期に予定している展示イベントで手をズラーっと並べてみようかと密かに考えているので、その時はこの連載で紹介したいと思う。

そんな事を想像するだけでワクワクする。おかげでコロナ禍で仕事が減っても毎日が楽しいのだ。

著者略歴

なべやかん

https://hanada-plus.jp/articles/304

昭和45年8月22日生まれ。たけし軍団初の2世タレントとして、91年デビュー。趣味の特撮キャラ収集では、30年以上前から専門誌やイベントで資料提供している。主催のお笑いライブは、個人主催では最長記録である。

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