怖いが一気に読み進む
『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画』(飛鳥新社刊)を読むのは、私にとっては近年に滅多にない、強烈な読書体験であった。
本書は周知のように、豪州で刊行された Silent invasion という著作の邦訳だ。内容は書名のとおり、オーストラリアに対する中国の「目に見えぬ侵略」を告発するものである。
元中国人の私にとって、ここで告発された「中国の侵略」の中身はあまりにも衝撃的で、想像を絶するものであった。読みながら私は何十回も背筋の寒さを覚え、そして何十回もページを閉じては深いため息をついた。
読み進めるにつれて気持ちがだんだん重くなってくるが、それでも一気に読んでいかないと気が済まない。まるで世界一怖いお化け屋敷に足を踏み込んだかのようで、心胆を寒からしめて、絶叫しながらもどんどん前へ進んでいったのである。
決して神経の細くないこの私に、背筋の寒さを覚えさせてはため息をつかせたものは何か。中国の「目に見えぬ侵略」の恐ろしい正体は、一体どういうものだったのか。本書で暴露された夥しい実例から、ほんの一部だが拾ってみよう。