若狭さん造形の雛型。大御所の作るゴジラの迫力!!
神社に祀られているようなフォルム
ゴジラが横綱なら大関、関脇、小結になるのは同じ映画会社の東宝怪獣だ。ゴジラ映画に登場した怪獣達はやはり特別な扱いを個人的にしている。
『ゴジラvsメカゴジラ』(1993)に登場したメカゴジラとベビーゴジラの雛形があるので紹介しよう。まずはメカゴジラ。久々に登場のメカゴジラは試行錯誤のデザインだった。
デザイン画でも何枚もある。試行錯誤されたキャラこそ雛型はかなり大切なものになるはずだ。雛型は立体にするための設計図のようなものだからね。
ベビーゴジラのデザインも色々と悩みがあったようだ。ミニラ的にするか『ゴジラvsキングギドラ』に登場したゴジラザウルス的にするか。(Tレックス的な感じ)
結果的にゴジラザウルスの感じになったが、ゴジラザウルスに比べるとかなり可愛らしい顔であり体の色も怖さはあまりない。93年は『ジュラシック・パーク』が公開された年でもあるので、それに影響されミニラ的よりも恐竜的なデザイン採用になったのだろう。
体のシルエットはTレックス的でもある。これらの雛形は超少量生産で販売された。どちらも素晴らしいデザインと造形なので手に入れられてよかったと思っている。とてもラッキーだった。
『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』には、三匹の怪獣の他、アンギラス、バランも初期段階では登場予定だった。
その為、二匹の怪獣の雛型も作られていて、そのうちの一匹、バランの雛型がM1号から発売された。個人的にバランは大好きな怪獣なので、色んなメーカーさんから「どの怪獣を作って販売したらいいでしょう?」と聞かれる度、「バランをお願いします」と言っているが毎度却下されてしまう。
老舗である『ビリケン商会』さんには250回くらい「バランを作りましょう」と言っているが、苦笑いされて終わり。バランという怪獣はマイナーだが、単独で映画にもなっているし、怪獣らしいデザインで実に美しいのだ。バラン雛型の写真を見てもらうとわかると思うが、造形した品田さんからもバラン愛が伝わって来る。
神社に祀られているようなフォルムのバラン。思わず神社に奉納したくなる。この姿、劇中で見たかったな。もしも雛型のような完成度の高いスーツが作られていたら、バラン人気も上昇していたに違いない。今からでも遅くない、バランを映画で復活させてくれ。
前回に引き続き『雛型』に拘ってみたが、拘ってしまう理由も写真を見ていただければわかったはず。出来のいいガレージキットも素晴らしいが、雛型は本物の説得力がある。老後はこれらを見つめて過ごす予定。何時間でも見ていられるね。
ベビーゴジラは可愛いが恐竜的。
メカゴジラの雛型はかっこいいの一言。