中国は毎年5000人の留学生を選抜し、外国の一流大学に国費留学生として送り出し、工学やバイオなどの先端分野を学ばせて、自国に無い技術を吸収してきた。5月28日、米政府は中国人留学生のビザ取り消しを計画していると報道された。最大5000人に影響が出るといわれている。
我が国は外国人留学生の最多を占める12万人の中国人学生を受け入れているが、留学受け入れ時の審査や研究テーマの選定にあたり、輸出管理品の研究を除外し、研究室内で技術へのアクセスを遮断するなどの処置が必要である。また、日本で学んだ学生が帰国してから大量破壊兵器の開発に従事することのないように、卒業後の追跡も必要だ。先端技術の輸出管理を徹底し、国民の命を守ることは、国家の基本である。(2020.07.07国家基本問題研究所「今週の直言」より転載)
著者略歴
国基研理事、東京工業大特任教授。1952年、東京都生まれ。東京工業大理工学研究科原子核工学修士課程修了。専門は原子炉工学。東芝に入社し原子力の安全性に関する研究にに従事。同社電力・産業システム技術開発センター主幹などを務め、2007年に北海道大大学院教授に就任。同大大学院名誉教授・特任教授を経て現職。