「実子誘拐ビジネス」の闇 人権派弁護士らのあくどい手口|牧野のぞみ

「実子誘拐ビジネス」の闇 人権派弁護士らのあくどい手口|牧野のぞみ

「10年前の今日(5月6日)、娘が誘拐された――。2歳だった娘は、いまや中学生である」。突然、愛するわが子を奪われた父親(A氏)。彼の身に、いったい、なにが起きたのか。その背後には、連れ去り勝ち、虚偽のDVなど「実子誘拐」の方法を指南する人権派弁護士らの暗躍があった――。愛する娘を奪われた父親が、魂の告発!日本で日常的に行われている「実子誘拐ビジネス」の闇に迫る!


いまの日本では「実子誘拐」が毎日のように行われ、それを正当化するために虚偽のDVが捏造されている。「実子誘拐」を遂行する者たちにより、子どもを誘拐された親は、さらにDV夫・虐待母の烙印まで押されるのである。その無法な状況を社会に告発しようとするメディアは少ない。

A氏の訴訟は、この状況を打開する一筋の光である。

判決を書くことになるのは被告の同業者である裁判官であり、まともな判決が出る可能性は少ないのかもしれない。しかし、裁判所のなかにも松戸判決の担当裁判官のように人間的な良心を持つ裁判官もいる。大岡越前の名裁きで事態が変わることを期待したい。

A氏は、今年3月10日から始まる今回の民事訴訟に加え、親権者変更の申立てをする予定であるとのことである。松戸判決が二審で覆された結果に絶望し、自殺した父親もいたことを聞き、自分や自分の娘のためだけでなく、この国で「実子誘拐」の被害に遭い苦しんでいる親子のためにも諦めてはならないと考え、その決意を固めたという。

子どもが両親の離婚後も両方の親と自然に会うことができる仕組みは、松戸判決で提示された「フレンドリーペアレント・ルール」を導入することで保障される。これが最高裁で採用されれば、日本社会は大きく変わるはずである。

この問題は、日本社会の根幹にかかわる家族の問題であり、三権の一角を占める司法の在り方にかかわる問題であり、全ての人に関係のある問題である。誰もが明日、自分の子どもや孫が連れ去られ、その1年後に裁判所で「自殺するなら敷地の外でしろ」と嘲笑される立場に陥っているかもしれないのである。

是非、多くの人々が自分のこととして真摯に考えてほしい。ともに立ち上がってほしい。いまこそ、まっとうな正義を取り戻し、親子が引き裂かれない社会を現実とする時である。
(文中敬称略)

(初出:月刊『Hanada』2020年5月号)

月刊『Hanada』2020年5月初夏号(Kindle版)

著者略歴

牧野のぞみ

https://hanada-plus.jp/articles/326

ジャーナリスト。早稲田大学第一文学部卒。元読売新聞記者。

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