性被害者を侮辱した「伊藤詩織」の正体 【後編】|小川榮太郎

性被害者を侮辱した「伊藤詩織」の正体 【後編】|小川榮太郎

「伊藤詩織」シリーズ第1弾!月刊『Hanada』10月号(完売御礼!)で、大反響を呼んだ小川榮太郎氏の「性被害者を侮辱した『伊藤詩織』の正体」の完全版がついに公開!伊藤詩織氏は本当に性被害者なのか。それとも――。マスコミがまったく報じなかった「事実」の扉が、いま開かれる――。


ところがあろうことか、この17日、伊藤氏は数日入院していたと虚偽のメールを山口氏に出しているのだ。

さらに翌18日、伊藤氏は山口氏に妊娠した可能性が大きいことを訴え始め、以後、執拗な妊娠メールを送り続ける。妊娠の可能性がないことが最終確認された翌日から、妊娠の可能性を訴え始めているのである。

「意識不明の私に避妊もせず行為に及び、それ以降私は妊娠したらどうしようという不安の中にいます。山口さんは私が妊娠した場合のことをお考えですか? 私はこれから一生仕事をしていこうと思っていた中、今は妊娠して働けなくなってしまうという恐怖でいっぱいです」
 
以後、伊藤氏の妊娠メールは頻繁に続く。
 
4月24日「まだ生理が来ていないので不安で仕方ありません。寝ても覚めてもこのことで頭が一杯です」。
 
5月4日「妊娠と仕事の事で大至急お話したいので、連絡の取れる電話番号を教えてください」、同日「妊娠の可能性があるので渡航の時期を伸ばせませんか?」。
 
他方その間、4月30日、高輪署は山口氏に対する刑事告訴状を受理した。
 
告訴状は短いものなので全文を引く。

被告(山口)は伊藤詩織(25)を酒に酔わせて姦淫しようと企て、東京都渋谷区恵比寿の飲食店「鮨の喜一」で同女に飲酒を勧め、同女を酔いのため意識不明の状態に陥れて抗拒不能にさせた上、平成27年4月3日午後11:30から4月4日午前05:30頃までの間、東京都港区のシェラトン都ホテル233号室に連れ込み、意識不明の同女のパンティーなどを脱がし全裸にした上で、同女の体の上に覆いかぶさるなどして同女を姦淫したものである。

この刑事告訴で、伊藤氏は山口氏を「準強姦罪」で訴えている。準強姦罪は「人の心神喪失もしくは抵抗困難な状態に乗じ、またはそのような状態に陥らせて姦淫する犯罪」(「Weblio辞典」より)を指す。当人に意識がないため、最も立件の難しい性犯罪だ。

「乳首はかなり……」エスカレートするメール

なぜこんなことになったのか。
 
伊藤氏によれば、当初から一貫してDRDと強姦と傷害を訴えたとのことだが、もしそれが事実なら、警察がそれらの供述を全く採用しなかったことになる。

すでにみたように、早朝5時50分の監視カメラの映像は、直前に彼女が強姦、傷害の被害を受けたとは考え難い。外傷の主張に該当する医師の診断書もなければ、何らの証拠写真もない。乳首から出血というが、押収されたブラジャーから血液反応が出たとの訴えはなされていない。DRD検査もしていない。
 
要するに物証もなく、診断書もない。そもそも伊藤氏の届け出は当夜から5日後なのに、傷も全て癒えていたのだろうか。警察は、準強姦より遥かに容易なはずの傷害での立件をなぜしていないのか。
 
このあと、伊藤氏から山口氏へのメールはエスカレートしてゆく。

5月6日
「山口さん、今までは必死に自分の記憶と感情を抑えてきました。向き合うと崩壊してしまうからです。ただもう自分自身をコントロールする事が難しくなってきました。あの夜、山口さんに意識がないまま強制的に性行為を行われ、肉体的にも精神的にも傷つけられました。あの後、膣は数日間痛み、乳首はかなり傷つきシャワーを当てられないほどでした。膝の関節もずれ今日までサポーターをつけています。(後略)」

翌日はさらにエスカレートする。

「レイプされた上妊娠の可能性のある女子にこれ以上何を言うつもりでしょうか」
 
この時点で妊娠の可能性がなかったことはすでに明らかだが、レイプのほうは真実だったというのだろうか。

「レイプって何ですか?」ついに、怒り爆発!

 
山口氏もついに怒りを爆発させる。

「レイプって何ですか? 全く納得できませんね。法律的に争うなら、そうしましょう。私は全く構いません。次の面会には弁護士を連れて行きます。(後略)」
 
ちなみにこの頃、伊藤氏は山口氏に膝の負傷についても治療費や入院費が高額になることを訴え、金銭を要求している。

5月9日
「まだ生理が来ていないです。あの夜から恐怖で眠れなくなっています。山口さんの言う、前向きな姿勢の問題解決とは具体的に何ですか?」

5月10日
「答えて下さい、山口さんの言う、前向きな対応って一体何ですか? できることはする、逃げないとまでいいながら、傷ついた私に謝罪の言葉もないのですね」

前向きの解決=示談による金銭要求である。伊藤氏は、メールという記録に残る形で「前向きの解決」と「謝罪の言葉」を山口氏から引き出そうとしている。
 
一方の山口氏は、事が曖昧なままでの謝罪は一切拒否し、伊藤氏を心配する気持ちはあるのだから冷静に対処するよう呼び掛けているが、やむを得なければ法的に争う旨を言明している。
 
6月はじめ山口氏に対する逮捕状が請求されたが、逮捕状の執行に至らなかった。

関連する投稿


山口敬之さんの連載『安倍暗殺の謎 第7回』を3月号に掲載しなかった理由を説明します|花田紀凱

山口敬之さんの連載『安倍暗殺の謎 第7回』を3月号に掲載しなかった理由を説明します|花田紀凱

「連絡がないままボツにした」「いくらでも直しますから、ボツはやめてくれ」……。『安倍暗殺の謎 第7回』を3月号に掲載しなかった件について、山口敬之さんは自らの番組その他であれこれ発言していますが、事実と異なる点が多々あるので、以下、経過を説明します。


暴かれたLGBT推進派の3つのウソ|山口敬之【WEB連載第24回】

暴かれたLGBT推進派の3つのウソ|山口敬之【WEB連載第24回】

LGBT法案の審議過程で、LGBT法成立を目指す推進派から数多くのウソと捏造報道情報がばら撒かれた――。ところが今月に入って、こうした主張がウソであったことが次々と明らかになってきている。ひとつひとつ解説していく。(サムネイルは稲田朋美議員Instagramより)


私が稲田朋美議員を批判する理由|島田洋一

私が稲田朋美議員を批判する理由|島田洋一

日本の政治史を見渡しても、稲田朋美氏ほど、保守派の期待をここまで裏切った政治家は他にいないのではないか。


「消費税大増税」の本心を露呈した岸田首相|山口敬之【WEB連載第22回】

「消費税大増税」の本心を露呈した岸田首相|山口敬之【WEB連載第22回】

岸田政権の「実績」は大半が「言うだけ」「検討するだけ」だが、岸田首相が「消費税大増税」にありとあらゆる手段を講じて邁進する腹づもりであることが年頭記者会見で露呈した――。(サムネイルは首相官邸HP)


虚しき岸田政権のコピペ外交|山口敬之【WEB連載第21回】

虚しき岸田政権のコピペ外交|山口敬之【WEB連載第21回】

11月13日、東アジアサミットで中国を名指しで批判した岸田首相。「岸田首相は覚醒した」「初めて毅然とした姿勢を示した」と評価する声も出たが、はたして本当にそうだろうか。岸田首相の発言を検証すると、バイデン大統領の発言と「ウリ二つ」であることがわかった――。(サムネイルは首相官邸HPより)


最新の投稿


【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは  『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

【読書亡羊】出会い系アプリの利用データが中国の諜報活動を有利にする理由とは 『トラフィッキング・データ――デジタル主権をめぐる米中の攻防』(日本経済新聞出版)

その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

【今週のサンモニ】岸田総理訪米を巡るアクロバティックな論点逃避|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。


わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

わが日本保守党|広沢一郎(日本保守党事務局次長)

昨今の政治状況が多くの日本人の心に危機感を抱かせ、「保守」の気持ちが高まっている。いま行動しなければ日本は失われた50年になってしまう。日本を豊かに、強くするため――縁の下の力持ち、日本保守党事務局次長、広沢一郎氏がはじめて綴った秘話。


改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗

参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。


【今週のサンモニ】新生「サンモニ」はやっぱりいつも通り|藤原かずえ

【今週のサンモニ】新生「サンモニ」はやっぱりいつも通り|藤原かずえ

『Hanada』プラス連載「今週もおかしな報道ばかりをしている『サンデーモーニング』を藤原かずえさんがデータとロジックで滅多斬り」、略して【今週のサンモニ】。