日本と台湾が韓国の生命線 今こそアジア反共自由同盟の結成を|邊熙宰(ピョンヒジェ)

日本と台湾が韓国の生命線 今こそアジア反共自由同盟の結成を|邊熙宰(ピョンヒジェ)

歴史を振り返れば韓国にとって日本と台湾がいかに重要かは一目瞭然だ。いまトランプ大統領は中国を牽制するために日本と台湾を中心とする「反共自由主義ネットワーク」を構想しているが、中国にすり寄る文在寅大統領の韓国はこの構想から完全に除外されている。このままでは韓国は確実に危機に陥る。韓国政府がまずすべきはこれまで日本と台湾に犯してきた外交的非礼を糺すことだ。


奇襲的かつ一方的に台湾との国交断絶を宣言した韓国の非礼

朴槿恵大統領に対する偽りの弾劾の始発点になった親文在寅放送局・JTBCによるタブレットPC報道捏造疑惑を提起したことで筆者は投獄生活を強いられた。その間、獄中で「米国と台湾が急接近している」というニュースを何度も耳にした。

その都度筆者は、文在寅政権が国内政治用に意図的に日本との葛藤を煽る現状では、米国と台湾の蜜月は韓国にとって深刻な脅威になるだろうと思った。なぜならトランプ政権はアジアで中国を牽制するために日本、台湾を中心とする反共自由主義ネットワークを構想しているが、韓国だけがここから離脱しているからだ。

これに関連して筆者は獄中で韓国と台湾に関する書籍を徹底的に読み込んだ。台湾と韓国は、日帝時代に蔣介石政府が李承晩と金九の臨時政府を支援してから外交関係を始めた歴史的経緯がある。また6.25戦争(朝鮮戦争)当時には台湾側から5万人の軍隊を派遣、「参戦して共産勢力と共に戦う」と宣言した。当時、米国の慎重論によって台湾は公式的参戦は行わなかったが、台湾は軍事及び各分野で民間の専門家を派遣するなど経済的支援を惜しまず、北朝鮮と中共勢力を退ける上で大いに助けとなった。

台湾、蒋介石総統(右)と韓国、朴正熙大統領、陸英修夫人

台湾、蒋介石総統(右)とあいさつを交わす韓国の朴正熙大統領、陸英修夫人

6.25休戦以後は蔣介石政府と李承晩政府が主導して韓国、台湾、フィリピン、香港、タイ等が「アジア民族反共連盟」を結成し、共産勢力に共に対抗した。これを担当した韓国の組織が現在まで存続する「自由総連盟」である。

筆者も朴槿恵政権時代、自由総連盟の金景梓(キムギョンジェ)総裁の特別補佐官として非常勤職で活動し、北朝鮮を自由化させるための「自由統一100万先鋒隊企画」を立てたりした。この企画は朴大統領に対する弾劾で中断した。

このように台湾との関係で韓国側は台湾に一方的に支援されてきたといっても過言ではない。にもかかわらず1992年8月24日、韓国政府は奇襲的かつ一方的に台湾との国交断絶を宣言した。

当時、韓国の盧泰愚政府は、たとえ中共と修交しても台湾との関係を継続するとずっと約束してきたが、72時間前に台湾大使館に一方的に撤収せよと命令した。

韓国政府が台湾との関係を断絶する時、最低6ケ月前に知らせなくてはならないという外交的信義を捨て、72時間前に奇襲的に通報した理由は、単に韓国明洞にある中華民国大使館を中国に明け渡すためだった。予め台湾側に知らせれば、台湾が大使館の建物を売ってしまうと憂慮したという。

実際、当時の金樹基駐韓中華民国大使は「韓国政府は東洋で最も重視する先祖の財産を無許可で強奪して中共に渡そうとしている。これは我慢出来ないことだ」と怒りを爆発させた。だが、結局、金樹基大使と台湾国民は「今日、我々が中華民国国旗を降ろすが、この国旗は我々の心の中に再度掲げます」という言葉とともに、中華民国大使館から撤収するほかなかった。盧泰愚政府の台湾に対する外交的非礼は、現在の文在寅政府の日本に対する外交的非礼と似ていた。

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