【読書亡羊】極右政党を無害化するたった一つの冴えたやり方  ユストゥス・ベンダー著『なぜAfDは支持されるのか』(同時代社)|梶原麻衣子

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その昔、読書にかまけて羊を逃がしたものがいるという。転じて「読書亡羊」は「重要なことを忘れて、他のことに夢中になること」を指す四字熟語になった。だが時に仕事を放り出してでも、読むべき本がある。元月刊『Hanada』編集部員のライター・梶原がお送りする時事書評!


 2016年以降の歴史は行き当たりばったりの連鎖ではない。そこには、ポピュリズムが必ず作動させる冷酷な機械仕掛けがあった。他の政党が何を試みようと、AfDはそこから必ず利を吸い上げる道を見出す、という仕組みである。

 2016年の時点で、この流れはこのまま進む、と見抜いていたものにとって、2025年の現実は驚くに値しない。(中略)それを予見できなかったとすれば、それは洞察力の欠如であって、歴史の気まぐれではない。

では、著者はどのようにAfDを「洞察」していたのだろうか。

まだAfDが知られた存在になる前から足しげく取材に通っていたという著者は、できては消える新党がある中で、なぜAfDが生き残ったのかについて、こう述べている。

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 それは、メディアに取り上げられた回数の多さに負うところが大きい。皮肉なことに、AfDを攻撃し続けたメディアこそ、むしろ党員の政策活動よりも成功に寄与したのかもしれない。

 私はかつて、あるAfDの党大会で、党幹部の女性と並んで立ったことがある。

 彼女は、息を荒げて言った。「マスコミは私の党を潰そうとしている」と。しかし、現実は違う。批判の記事の一つひとつが、逆にAfDに利している。私は冷たく言い返した。「つまり、あなたはジャーナリストを不器用だと思っているわけですね。潰そうとして、助けている。しかも、その愚かさに気づけない」

ジャーナリストは(中略)面白い話を見つけなければならない。新しい話題、刺激的なニュースだ。そしてその点で、AfDは誰も抗えぬ魅力を持っている。

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